[マールレポート ~企業ケーススタディ~]

2025年8月号 370号

(2025/07/09)

【大塚代表取締役社長&CEOが語る】ジャパン・アクティベーション・キャピタルの投資・支援プロセス

――ライオン、ピジョンへの投資を実行

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ジャパン・アクティベーション・キャピタル(JAC)の大塚博行 代表取締役社長&CEO

大塚博行 ジャパン・アクティベーション・キャピタル 代表取締役社長&CEO

1号ファンド約1300億円に続いて2号ファンド約770億円の運用も開始

 ジャパン・アクティベーション・キャピタル(JAC)は、カーライル日本法人で副代表を務めた大塚博行氏が2023年秋に設立した。当初の社名は「ニュートン・インベストメント・パートナーズ」だったが、管理・運用を行うファンドの名称である「ジャパン・アクティベーション・キャピタル」と社名を統一することで、ブランドを強化するとともに、認知度の一層の向上を図ることを目的に、2024年7月1日付で社名を「ジャパン・アクティベーション・キャピタル」に変更した。

 投資対象企業は、時価総額数千億円から数兆円規模の上場企業。経営陣とのディスカッションを通じて投資先企業の株式を数%から10%程度取得し、3~4年ほどかけて持続的成長が可能になるように事業・経営基盤を強化して、企業価値を向上させる。株の取得方法としては投資先の斡旋により、取引金融機関が保有する政策保有株の受け皿になることもあり、経営陣が目指す中長期の成長戦略遂行を協働して実行していく点で、いわゆる「アクティビスト」とは対極的な存在と言える。

 投資後は、投資先のインサイダーとなり経営イニシアチブの実行・推進サポーターを行い、最終的に高い成長期待感を市場で継続して得られるようにする。その後は、長期保有目的の世界の機関投資家等にブロックトレードなどを通じて譲渡する。

 1号ファンドは、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、りそな銀行、日本政策投資銀行、三井住友信託銀行、横浜銀行、住友生命保険、明治安田生命保険、SOMPOホールディングス、東京センチュリー、大和証券グループ本社がLPとなり、2024年4月から約1300億円の運用を開始。2024年10月にライオンの発行済み株式の5%弱を取得、2025年5月には育児用品のピジョンに約4%の投資を行っている。

 さらに、パラレルファンド(1号と2号は同一の会社に投資)として、2025年3月には三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、QRインベストメント(北國フィナンシャルホールディングスグループ)、足利銀行、福岡銀行、あおぞら銀行、三井住友海上火災保険、産業革新投資機構、海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)の他、学校法人から約770億円のコミットメントを受領し、運用も開始した。

 JACの投資スキーム、具体的な支援プロセスについて、大塚代表取締役社長&CEOに聞いた。

<インタビュー>
 『社長連絡会』、『マネジメントコミッティ』などで企業変革を加速

 大塚 博行( ジャパン・アクティベーション・キャピタル 代表取締役社長&CEO)

<目次>
  • 1、2号ファンドで約2100億円規模に
  • 2025年中に5社程度に投資予定
  • 伝統的な資金の出し手(LP)のビヘイビアも変えたい
  • JACの投資スキーム
  • “What”は分かっているが、“How”が不足――経営スピードがでない
  • ライオン、ピジョンがJACと組んだ経緯
  • 投資チームの編成、投資先との3つのレイヤーのミーティング
  • 日本企業の課題と、取るべきビヘイビア

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