―― 投資銀行業務の実態は良く分からない点もあります。そこで本日は、若手バンカーの皆さまに集まっていただき、実務の現状等についてお話を伺いたいと思います。
泉 「私は2015年に新卒としてシティグループ証券に入社し、一貫して投資銀行業務に従事してきました。今年で10年目になります。現在は日本の製薬や医療機器、CDMO(医薬品受託製造)業界などを担当しています」
松本 「2020年に新卒で入社し、5年目になります。シティにはローテーション制度があり、最初の3年間は1年ごとに異なるセクターを担当しました。現在のローテーション制度では、さらにM&A、ECM、DCMといったプロダクトチームへのローテーションも可能です。入社1年目は不動産業界、2年目は消費財・小売業界、3年目は化学業界を担当しました。4年目にアソシエイトに昇格し、それからは飲料、食品、化粧品、スーパー、コンビニといった消費財・小売業界を担当しています。今後もこのセクターを担当していく予定です」
岩原 「この会社に入社したのは2022年11月で、以前は銀行で働いていました。銀行員時代にはサステナブルビジネス部にて、日本政府等が出資する途上国向けの気候変動対策ファンドであるグリーンクライメイトファンド(Green Climate Fund、GCF)などに関わっていました。気候変動やサステナビリティといった領域に金融を通じてインパクトを与えられるやり甲斐のある仕事でした。引き続きサステナビリティを推進する業務での経験を積みたいと考え、人事異動が少なく、自分でキャリアを開拓できる外資に転職しました。現在は、コーポレート・トランスフォーメーション・アドバイザリーというチームに所属し、日本企業の脱炭素化に向けたM&Aを推進しています。また、カバレッジ業務も兼務しており、電力・エネルギー業界を担当しています」
尹 「私は2020年に新卒で入社し、この4月に5年目を迎えました。現在担当しているのはTMT(テクノロジー、メディア、テレコム)セクターです。通信、ITサービス、ソフトウェアといったソフトテックを中心に見ています。一部、ハードテックもカバーしており、テック系のコングロマリットや電子部品の会社も担当しています」
―― 携わる業務の意義深い点、やりがいを教えてください。