[マールレポート ~企業ケーススタディ~]

2022年10月号 336号

(2022/09/09)

ニューホライズン傘下の美容サロン「BIQREAホールディングス」がAOE Createをグループ化、110店舗体制へ

  • A,B,EXコース
佐藤 隆司氏

佐藤 隆司(さとう りゅうじ) ニューホライズン キャピタル最高財務責任者

明治大学法学部卒業。朝日監査法人(現あずさ監査法人)入所、上場企業の監査業務に従事した後、マネージャーとして製造業、流通業、IT企業、サービス業等へのIPO支援業務、M&A支援業務、再生支援業務に携わる。2006年、NHCに設立時より参画。管理部門の責任者を務めると同時に、1号ファンドの立上げからオペレーション全般を担い、ファンドの経理・財務・ディスクローズを管掌。また投資先に対する金融調整、財務管理、マネジメント改善指導等に関与。ハウステックホールディングス、中部日化、たち吉等の投資先の役員を歴任。公認会計士。

M&Aによるロールアップ

 美容サロン経営のBIQREA(ビクレア)ホールディングスは、2022年7⽉、アイラッシュサロンを展開するAOE Create(以下AOE)をグループ化した。
 
 BIQREAホールディングスは、ニューホライズンキャピタル(以下NHC)が管理運営する「ニューホライズン3号投資事業有限責任組合」が、2021年9月にフレイムス(以下FRM)、トレッドル(以下TRD)、アッド、リタの4社を買収して設立した持株会社。4社のうちFRM、TRD及びリタは、埼玉県を中⼼に首都圏郊外に美容院を展開しており、カラー専⾨店やアイラッシュ専門店等の専門業態にも力を入れてきた。また、アッドは、美容系PB商材の開発・販売等、美容に関わるサービスに加え、足元では人材紹介事業にも着手し、美容院展開に必要不可欠な多様なサービスを展開している。

 今回、新たにBIQREAホールディングスの傘下に入ったAOEは、全国各地でアイラッシュサロン「EYELA」を展開。直営店のほか、フランチャイザーとしてFC店舗を30店舗以上展開するほか、⼦会社を通じて美容関連商品の販売も⾏っている。

 厚生労働省の「令和2年(2020)度衛生行政報告例」のよると、「理容所」は11万5456施設で、前年度に比べて1810施設(1.5%)減少、「美容所」は25万7890施設で、3468施設(1.4%)増加している。また施設数の増加と同様に美容師の数も増加傾向にあり、令和2年は54万9935人と過去最高となっている。しかし、一方で低価格のチェーン店の台頭や新型コロナの影響などで伸び悩みが考えられる。また、美容室を含めた生活関連サービス業に従事する人材の離職率は18.4%で、宿泊業・飲食サービス業の26.3%に次いで高く、経営者の年齢構成比率は50~59歳41.1%、60~69歳が28.1%、70歳以上が8.5%と他業界同様、経営者の年齢も高くなっている。こうした背景もあって、近年では事業承継の手段としてM&Aを行う美容院が増加傾向にある。中でも、大中規模の美容院については、ヘッドライト(100店舗)を日本協創投資と福岡キャピタルパートナーズが組んで買収(2017年)、Aguグループ(270店舗)を香港系PEファンドCLSAキャピタルパートナーズが買収(2018年)、レイフィールド(55店舗)を日本産業推進機構が買収(同年)――など、PEファンドによって買収される事例も少なくない。

 NHCの佐藤隆司最高財務責任者に、BIQREAホールディングス設立の経緯とロールアップ戦略を聞いた。

<インタビュー>
業態の多角化と出店エリア拡大で成長を目指す

 佐藤 隆司(ニューホライズン キャピタル最高財務責任者)

4社統合とホールディングスの設立

―― 今回、投資先のBIQREAグループにAOE Createが加わりました。BIQREAグループは、2021年9月にニューホライズン キャピタルが運用する3号ファンドでフレイムス、トレッドル、アット、リタの4社に投資をし、持株会社BIQREAホールディングスとして新たなスタートを切りました。まず、4社統合とホールディングス設立までの経緯について教えていただけますか。

この記事は、Aコース会員、Bコース会員、EXコース会員限定です

マールオンライン会員の方はログインして下さい。ご登録がまだの方は会員登録して下さい。

バックナンバー

おすすめ記事

スキルアップ講座 M&A用語 マールオンライン コンテンツ一覧 MARR Online 活用ガイド

アクセスランキング