[【バリュエーション】Q&Aで理解する バリュエーションの本質(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社)]

(2025/06/26)

【第8回】DCF法と類似会社比較法の評価結果が大きく乖離した場合の対処法

鷺坂 知幸(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社 パートナー 公認会計士)

(監修)
中道 健太郎(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社 パートナー)
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Question
万能な評価手法はないため、各アプローチの長所・短所を考慮し、複数の評価手法を用いて株式価値を評価することが一般的である。では、以下のように、インカム・アプローチ(DCF法)やマーケット・アプローチ(類似会社比較法)など複数の手法で得られた評価結果が大きく乖離している場合、どのように対処すればよいのだろうか。
図表
1 各評価アプローチの特徴

 企業の株式価値評価の評価手法には大きく3つの視点がある。
● 収益性インカム・アプローチ
企業が将来事業を営むことで獲得する収益/キャッシュ・フローに着目するアプローチ
(例:DCF法、配当還元法、収益還元法)
● 市場性マーケット・アプローチ
株式市場で実際に売買されている株価情報に着目するアプローチ
(例:市場株価法、類似会社比較法、類似取引比較法
● 費用性コスト・アプローチ
企業または投資家が基準日までに投下した資本に着目するアプローチ
(例:簿価純資産法、修正簿価純資産法、時価純資産法)


■筆者プロフィール
鷺坂 知幸(さぎさか・ともゆき)
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社 パートナー、バリュエーション&モデリング統括、公認会計士。
有限責任監査法人トーマツ入社後、米国会計基準を含む大手金融機関の監査業務に従事。その後デロイト トーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に転籍し、無形資産価値評価、米国基準、国際会計基準ののれんの減損テスト支援、株式価値および事業価値評価等のバリュエーションサービスに関する業務に従事、現在に至る。

■監修者プロフィール
中道 健太郎(なかみち・けんたろう)
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社 パートナー
トロント、ニューヨークでの監査経験を経て、1997年に来日。金融機関・金融商品・不良債権の評価、海外資源・インフラ案件の評価、機械設備の評価、訴訟・競争法関連の評価・証言を含め、幅広い業種・状況におけるバリュエーションサービスに従事、現在に至る。

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