「売れる医薬品を作る」企業を発掘
欧州の創薬系ベンチャー・キャピタル(VC)ファンドであるNewton Biocapital(ニュートン・バイオキャピタル)社は近年、日本の創薬ベンチャー企業への投資を積極的に行っている。同社はベルギーと日本に拠点を持つベルギー籍のVCファンド。2021年3月に日本法人を立ち上げて以来、日本でもスタートアップの発掘・投資活動を強化している。欧州全域で豊富な投資実績を持っており、今後は日本での投資割合を徐々に増やしていく意向だ。協和発酵工業(現協和発酵キリン)など6社においてライフサイエンス事業に従事した同社の鈴木貞史日本代表は、「将来的には日欧の投資割合を5対5の比率にしたい」と意気込む。
ニュートン・バイオキャピタルは日欧の医師、博士の技術系を含むサイエンス畑の社員を中心とする総勢約20人程度により運営されており、がんなどの慢性疾患の新薬開発を手掛けるスタートアップを主な投資対象にしている。2022年度の「
創薬ベンチャーエコシステム強化事業」において、革新的な技術開発を行う創薬ベンチャーの支援に認定・採択された企業の1社だ(NBCを含め全部で8社が採択)。AMED(日本医療研究開発機構)の「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」は、創薬ベンチャーの開発資金不足を補うため、ベンチャー・キャピタル(VC)ファンドが創薬ベンチャーに投資した金額の最大2倍を助成する枠組みだ。欧州と日本をまたいで活動する「日欧ファンド」として認定されたのは、8社のうちニュートン・バイオキャピタル1社のみだった。