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[地域金融機関に聞く「M&Aによる地域活性化の現場」]

(2019/12/05)

【第9回】常陽銀行  営業推進部 総合金融サービス室

聞き手:日本政策投資銀行 企業戦略部


 地域金融機関に聞く「M&Aによる地域活性化の現場」
。第9回では、常陽銀行営業推進部総合金融サービス室を訪問し、工藤一也(くどうかずや)総合金融サービス室長、渡辺充裕(わたなべみつひろ)主任調査役にお話をうかがいました。

 めぶきフィナンシャルグループの一翼を担う常陽銀行は、その事業基盤である茨城県において、行政との強い連携のもと、事業承継という地域の課題へと取り組んでいました。

1.M&A業務の戦略的・組織的位置づけ

 常陽銀行の持株会社であるめぶきフィナンシャルグループの第2次グループ中期経営計画では、計画期間である2019年4月~2022年3月を「本格的な成果の実現・次なる成長への転換期間」として位置づけています。中期経営計画の基本戦略の一つである「地域とともに成長するビジネスモデルの構築」のための個別戦略「お客さまの成長に向けたコンサルティング機能の強化」として事業承継・M&Aの取り組みに注力しています。

 「事業承継問題が全国的な課題になっていますが、茨城県においても経営者の世代交代が進んでおらず、1年経つごとに経営者の平均年齢が1歳上がるような状況になっています」(渡辺主任調査役)。

 そのため、事業承継は取引先企業にとって三本の指に入る経営課題であり、常陽銀行でも親族や関係者内での事業承継に向けた手厚いコンサルティングサービスを提供しています。しかし、適切な後継者がいない事例も多く、第三者への事業承継であるM&Aも重要な選択肢となっています。

  また、前中期経営計画(2016年10月~2019年3月)においても「コンサルティング機能の強化」は重要なキーワードでしたが、現中期経営計画では、先述のように成長という観点を付加した基本戦略としてより高い重要性をもって位置づけられました。そのため、「事業承継という売り手の事情に意識が向かう傾向がありますが、M&Aによる顧客企業の成長という側面にも重視し、M&Aを繰り返しながら成長する企業への支援も進めています」(工藤室長)。

 このような、買い手企業と売り手企業の両面の本業支援・課題解決の視点から、事業承継・M&Aへの取り組みを強化しています。

2.M&A業務の体制

(1)業務体制

  常陽銀行では、営業推進部の総合金融サービス室にM&Aチームを配置しています。営業推進部は約80名の人員からなる法人・個人の双方の営業活動を統括・企画・支援する部門ですが、その中で総合金融サービス室には40名が所属しています。

 総合金融サービス室は、顧客のライフステージに応じたサービスを提供する役割を担い、事業サポートチームとファイナンスチームから構成されます。事業サポートチームには、エリア中核店に駐在し、個人の相続や不動産の有効活用等に携わる「個人FA」と企業の事業承継や不動産の有効活用等に携わる「法人FA」があり、また、本店内には、「M&Aチーム」、「医療・福祉チーム」、「信託チーム」と事業サポートチーム内を統括する「事務局」があります。

 法人FAという事業承継に関する担当とM&Aチームが同じ総合金融サービス室内にあることで、親族等での承継と第三者へのM&Aをシームレスに対応しています。

 また、福祉、病院やクリニックは、医療制度や事業内容に係る専門知識が必要なため、業種別のチームとして医療・福祉チームを2010年4月に創設しました。医療・介護分野においても事業承継が経営課題となっていますので、M&Aチームに医療・介護チームの経験者を配属しています。
 
 なお、ファイナンスチームでは、シンジケート・ローン、私募債、デリバティブ、ファクタリング及び確定拠出年金に関するサービスを提供しています。

  現在(2019年10月31日時点)、M&Aチームには7名の専担者がいます。
 
 M&A業務は1989年に法人事業部の事業戦略支援室で、顧客企業の資本政策全般をサポートする業務の一つとして始まりました。この段階では様々な業務の中の一つとし…

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濱口 耕輔(長島・大野・常松法律事務所 パートナー弁護士)(司会)

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