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[【企業変革】ポストコロナ時代の経営アジェンダ ~ ゲームのルールが変わる瞬間 ~(デロイト トーマツ コンサルティング合同会社)]

(2020/09/10)

【第2回】今後起こりうる4つのシナリオ

汐谷 俊彦(デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 執行役員)

4つのシナリオ

 私たちは、今現在、非常に不確実性の高い状況の中にいます。いつ、このコロナ禍が収束するのかもわからず、この有事がもたらす「その後」について何も確実に予測できることがありません。

 今回は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが今後3~5年間でビジネスや社会をどのように変化させていく可能性があるかという点について、発生しうる4つのシナリオを取り上げたいと思います。目的は将来を確実に予測することではなく、起こる可能性のある極端なシナリオを念頭に置きながら、起こりうる最悪の状態に備えることです。

シナリオ1:世界は協調体制を失う(Lone wolves)

 まず1つ目は、パンデミック(世界的流行)が長期化し、各国政府は自国を守るための政策を強化、孤立主義をとるというシナリオです。世界中の主要国がクロスボーダー移動を制限し、監視体制を強化し、関税をコントロールし保護貿易へと舵を切ります。これまでの自由経済の流れが反転し、各国はブロック経済へと政策を変更します。地政学的な緊張が高まり、外国人に対する差別が常態化し不寛容な社会になります。公益のために、顔認証などの監視技術が導入され人々の自由は抑圧されます。

 エネルギーや食糧の安全保障をもとめ、環境への取り組みなどは優先順位が下がることになるでしょう。これによって、気候変動協定から撤退する国々が次々に出てきます。結果として国際機関の信認が下がり無力化されます。また、グローバルサプライチェーンが寸断され経済は混乱するでしょう。大国は大量の公共投資により製造を自国に引き戻すトレンドを加速します。考えれば考えるほど恐怖のシナリオですが、それらの兆候がないわけではなく、部分的にはすでに起こっている事象も含まれており、それが広範に広まり、加速・深刻化するという未来です。

シナリオ2東アジアの台頭(Sunrise in the east)

 2つ目のシナリオは、相対的に新型コロナウイルスの影響が抑えられている中国を中心にした東アジアの国が、新たな世界の経済・社会を作り出すシナリオです。IMFの6月時点の実質GDP予測では、他の欧米先進国はほぼ2桁のマイナス成長が予測されているなかで唯一中国のみが2020年においてプラス成長(+1%)、加えて2021年においても最も成長する国が中国と予測されています。世界第二位の経済大国がこれほどまでのスピードで回復・成長すると予測されていることは驚きであり、注視しておくべき事柄と思います。...

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社

■筆者略歴

汐谷 俊彦(しおたに・としひこ)
外資系コンサルティング会社等を経て現職。製造業/テクノロジー/エネルギー/化学/ヘルスケア/商社など幅広い業界に対して成長戦略策定、事業ポートフォリオ見直しといった戦略面での支援や、M&A戦略策定に始まり、デューデリジェンス、PMI計画策定および実行支援・買収後のオペレーション改善といったM&Aライフサイクル全領域において幅広い経験を持つ。特にクロスボーダーM&Aやカーブアウト買収といった複雑で難易度の高い案件を数多く手掛けている。また、日系企業による海外企業の買収を契機に、その後のグローバル化に向けたトランスフォーメーション支援や、買収後の海外企業のターンアラウンド、ガバナンス改革などの案件も支援している。東京大学工学部卒。

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