[M&Aの現場から]

2023年12月号 350号

(2023/11/10)

【クレアシオン・キャピタル】ターゲットファンドとの併用で中小企業のIPOを支援

辻 智史(常務取締役 最高投資責任者)
井上 圭(ディレクター)
西山 一寛(ヴァイスプレジデント 公認会計士)
  • A,B,C,EXコース
(左から)辻智史・常務取締役、井上圭・ディレクター、西山一寛・ヴァイスプレジデント

(左から)辻智史・常務取締役、井上圭・ディレクター、西山一寛・ヴァイスプレジデント

 クレアシオン・キャピタルはその出自自体もM&Aから始まった独立系プライベートエクイティ(PE)ファンドである。2011年、富裕層向けコンサルティングやM&Aアドバイザリーを営んでいたクレアシオン・インベストメントが日本アジア投資の傘下にあったJAIC投資顧問をM&Aした後、クレアシオン・キャピタルに商号変更し、バイアウトを中心としたPE投資を続けている。ターゲットファンドでの調達力やIPO志向、機関投資家に加え富裕層も含めたLPネットワークなど、ユニークなポジショニングをしている。

 「他のPEファンドと違って、富裕層向けコンサルティングから出発したことから、ファンドに資金を入れていただく機関投資家のネットワークがありませんでした。そこで我々は、富裕層向けコンサルティングで蓄積した富裕層ネットワークを活用し、特定された個別案件(企業)への投資を目的としたターゲットファンドを組成して投資を行ってきました。

 一般に、国内のバイアウトファンドは個々の案件に先立って組成され、ファンドへの出資時に投資先企業が確定していないブラインドファンドの形式を採ることが多く、この場合、1つのブラインドファンドから複数の企業、通常5~10社程度に対する投資が実行されます。また、投資家と運用会社が出資契約の中で投資ガイドラインを定め、これにより投資対象となる案件規模や業種等につき一定の枠組みが設けられるものの、個々の投資実行は運用会社の判断に委ねられることになります。これに対してターゲットファンドの形式を採る場合、投資家は事前に投資案件を把握して出資するため、案件の目的や内容に賛同した上で投資を行えるというメリットがあります。

 また、一般的なPEファンドの投資先の場合、

この記事は、Aコース会員、Bコース会員、Cコース会員、EXコース会員限定です

*Cコース会員の方は、最新号から過去3号分の記事をご覧いただけます

マールオンライン会員の方はログインして下さい。ご登録がまだの方は会員登録して下さい。

バックナンバー

おすすめ記事

アクセスランキング