[【クロスボーダーM&A】ベトナム投資の基礎知識 [ベトナムマーケット概要](ワールディング)]

(2013/11/06)

ベトナムの製薬業界

 谷口 正俊(株式会社ワールディング 代表取締役社長)
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加速する日系製薬企業のベトナム進出

 東証1部の参天製薬が、2013年10月4日付で東南アジア初の事務所をホーチミンに開設した。参天製薬は、2020年までに海外売上比率を現在の15%強から40%に引き上げることを目指しており、東南アジアは重点地域となっている。ベトナムの医療用目薬市場は、参天製薬がトップシェアを握る日本の市場規模2,734億円(2012年度)の1%余りにとどまるが、2009年から2014年までドルベースで年あたり16~17%の成長を続けており、事務所設立によって本格参入の調査をおこなうという。

 また、今年1月には、味の素製薬がスイスを拠点とする商社DKSHとベトナムでの販売代理店契約のもとで医薬品の発売を開始した。

 ニプロも昨年、ベトナム北部ハイフォン市のVSIP工業団地に医薬品の製造販売会社であるニプロファーマベトナムを設立し、日本など先進国市場向けに後発医薬品(ジェネリック医薬品)を2015年から生産開始する。明治ホールディングスの製薬子会社であるMeiji Seikaファルマも、ベトナムの中堅製薬会社ティエンタオと提携し、さらに昨年9月にはベトナムとロシアで現地の製薬会社と販売提携し、抗生物質などの販売を始めた。ベトナムに先んじて進出をし、シェアの拡大を続けているロート製薬も、2011年に新しい生産ラインをベトナム国内の工場で稼働を開始し、目薬の分野で同工場が世界一の生産量となったという。

 日本以外の外国製薬企業の参入も続いている。今年3月には、仏製薬大手サノフィが、ベトナムで高まる医薬品およびコンシューマー・ヘルスケア製品の需要を満たすべく、同国の新工場設立に7500万米ドルを投資し、2015年末を目途に生産を始める。

株式会社ワールディング

株式会社ワールディング
TEL:03-5332-3688

■筆者プロフィール
谷口正俊(たにぐち まさとし)
1973年イタリア・ローマ生まれ。
早稲田大学商学部卒業後、(株)ベネッセコーポレーション入社。
同社退社後、2000年7月「教育を通じてより良い世の中へ」と、教育関連企業(株)ウィル・シードを共同創業、代表取締役副社長就任。大手企業400社の人財育成支援及び、全国の小中学校に新しいタイプの体感型教育プログラムを提供。
同社副社長を退任後、2006年6月、(株)アクティブリッジの設立に参加。
7年に亘るベトナム事業展開の後、2013年3月、(株)ワールディングを設立。
日系企業のベトナム進出支援、ベトナム人材採用・育成事業を展開中。
日本とベトナムを往復する日々を送っている。


 


 

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