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青木 義則(PwCアドバイザリー合同会社 スタートアップ・ディール・アドバイザリー リーダー/パートナー)
長谷山 京佑(同 スタートアップ・ディール・アドバイザリー シニアマネージャー)

左から長谷山 京佑氏、青木 義則氏

第2次CVCブーム


―― 2010年以降、国内は第2次CVCブームと言われるほど新たなCVC設立が相次いでいます。ただ、国内CVCの多くが設立から数年以内ということもあって、各社とも手探りしながら運用を行っているのが実態であるといわれています。PwC Japanグループでは、国内CVCの実態を把握するために、国内でCVC運用に携わる実務従事者に対して、オンライン調査によるアンケート調査「CVC実態調査2019」を実施されました。そこで、この調査を踏まえたうえで、国内CVC関係者が抱えている課題と提言についてお話を伺っていきたいと思います。
 
 まず、今回の調査の概要からお願いします。

青木 「ジャパンベンチャーリサーチ(現INITIAL)によりますと、18年には新たに16のCVCが設立されており、引き続き企業によるCVCへの取り組みが活発であるということが言えます。また、事業会社によるベンチャー企業への投資もさらに活発化していまして、CVCを含む事業会社によるベンチャー企業への投資額は、18年には2000億円を超え、ベンチャー企業への投資の全体の約半分を占めるまでになっています。後ほど詳しくお話しますが、国内CVCの多くが設立後に案件の妥当性、投資の成果や人材面などに不安をかかえ、手探りの運用を続けている姿がうかがえます。スタートアップ企業とのオープンイノベーションを企業や社会に定着させる取り組みは、まさにこれからといえます。

 PwCアドバイザリー合同会社は、2019年11月1日、ベンチャー投資にかかわるアドバイザリー業務に特化した専門組織『スタートアップ・ディール・アドバイザリー』を新設し、日本におけるオープンイノベーション推進に向けたサポート体制を強化しています。

 こうしたサポート体制強化と同時に、PwC Japanグループでは、国内CVCの実態を把握するために、国内でCVC運用に携わる実務従事者に対して、2017年に続いて2回目のオンライン調査によるアンケートを実施しました。その結果、有効回答を128人から得ることができました。

 まず図1に示すとおり、回答者の50%は売上500億円以上の企業に属しており、その割合は前回調査の56%から若干減少しています。同時に、売上10億円~100億円未満の回答者の割合は18%から28%に増加しており、中堅企業においてもCVCの取り組みがますます拡がっているものと考えられます。また、業種に関しては、前回同様に特定の業種に偏ることなく、幅広い業種で取り組みが拡がっていることが確認できました。

図1「CVC実態調査」回答者の所属企業

 CVCファンドのサイズは、最も多いのは10億円以上50億円未満の42%であり、回答者の73%が100億円未満というサイズでした(図2)。

 CVCファンドの運用状況については、図3に示すとおりで、大きな傾向は前回の17年の調査結果と変わりませんが、運用開始後3年未満の回答者の割合が減少するとともに、運用開始後3年以上の回答者が前回よりも増え、回答者の経験値が前回よりも上がっています。

 投資対象となる国や地域については、下のグラフに示すとおり、引き続き日本が最多ですが、米国や中国を対象とする回答者が減少する一方で、アジア(日本と中国以外)を選択した回答者が増加し、結果として、日本に次いで2位となりました。近年、アジアでもライドシェアやEコマースなどでユニコーン(企業価値が10億ドルを超える未上場企業)が登場してきており、投資先としてアジアの魅力度が高まってきている結果と言えると思います。また、投資対象となるステージについては、レイターステージが減少する一方で、シード/アーリー/ミドルステージの回答者が増加し、大企業のCVCでも、より早い段階から投資しようという姿勢がさらに強まっているものと考えられます」

投資対象について
CVCが抱える課題

―― 自社のCVCに対する評価についてはどのような結果が出ていますか。

長谷山 「自社のCVCが上手くいっているか否かについては、70%は『上手くいっている』(『非常に上手くいっている』または『概ね上手くいっている』)という回答で、17年の調査より微増となっています。一方で、『上手くいっていない』(『あまり上手くいっていない』または『全く上手くいっていない』)は若干減少して23%となりました。

 CVCの運用で感じている課題については、図4に示すとおり、概ね前回と変わっていませんが、前回から最も増えたのは『財務リターンが厳しい/思ったほど実現できていない』で、21%から30%に上昇して、前回の4位から3位に上昇しています。また、課題について、今回の調査で『上手くいっている』を選択した回答者と『上手くいっていない』を選択した回答者に分けて集計したところ、図5に示すとおり、『なかなかよい投資先を見つけることができない』と『思ったほど、事業シナジーが実現できていない』」の2項目において、『上手くいっていない』を選択した回答者の問題意識

■あおき・よしのり
1997年九州大学大学院修了。IT企業の研究所勤務を経て、戦略系コンサルティング会社にて多数のプロジェクトをリード。その後、独立系ベンチャーキャピタルにて複数のCVCファンドを運用。2014年にPwCアドバイザリー合同会社に入社し、現在、テクノロジー・メディア・テレコムセクター ディール部門 リードパートナーおよびスタートアップ・ディール・アドバイザリー リーダーとして、M&A戦略からビジネスデューデリジェンス、統合後の戦略再構築など、M&Aにかかる戦略課題を中心にクライアント企業を支援している。博士(工学)。

■はせやま・きょうすけ
2010年東北大学経済学部卒業、2012年一橋大学大学院経済学研究科修了。M&Aブティックファーム勤務を経て、2015年にPwCアドバイザリー合同会社に入社。現在スタートアップ・ディール・アドバイザリーのシニアマネージャーとして、メディアやEC、ロボティクス、SaaSなどさまざまなテクノロジー領域のスタートアップ企業に対する投資・アライアンス戦略策定、トランザクション支援(デューデリジェンス、企業価値評価、交渉支援など)およびこれら投資・新規事業開発を推進する戦略的投資子会社・CVCの設計・設立支援に注力している。

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2019年1-12月の日本企業のM&A動向

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[座談会]2019年の企業法制の振り返りと論点~グループガバナンス指針/MBO指針/ヘッジファンド・アクティビズム他~

[対談・座談会]

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【出席者】
石﨑 泰哲(西村あさひ法律事務所 パートナー 弁護士)
三和 裕美子(明治大学 商学研究科 教授)
山田 剛志(成城大学 法学部 教授)(以上 五十音順)
武井 一浩(西村あさひ法律事務所 パートナー 弁護士)(司会)

ファンド

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[対談・座談会]

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【出席者】(五十音順)
久保田 朋彦(GCAテクノベーション 代表取締役)(司会)
小林 丈人(GCA エグゼクティブディレクター)
山中 卓(i-nest capital 代表取締役)

海外M&A

[対談]デュポンのグローバル経営

[対談・座談会]

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橋本 勝則(デュポン株式会社 取締役副社長)
松田 千恵子(首都大学東京大学院 経営学研究科<ビジネススクール> 教授)

2019年1-12月のM&A件数と金額

2019.12.31現在 集計
 IN-ININ-OUTOUT-IN合計
件数 (件)3,0008262624,088
増加率6.6%6.3%1.2%6.2%
金額 (億円)61,233103,76315,298180,295
増加率109.2%-43.5%-81.0%
-38.5%
  • ※2018年1-12月の日本企業のM&A動向は、こちら
  • ※増加率は前年同期比 [M&Aとは]
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