M&A専門誌マール 2025年10月号 372号(2025/09/16発売)

特集: ヘルスケア領域(CRO、SMO)に相次いで投資するブラックストーンの狙い

ブラックストーンは、傘下の買収SPCを通じて、日本有数のSMO(治験施設支援機関)であるアイロムグループ(以下、アイロムG)の創業者で代表取締役社長の森豊隆氏と共同でアイロムGのMBOによる非公開化に向けたTOBを実施した。同社は2025 年5月12 日、東京証券取引所プライム市場を上場廃止となった。また、同年3月にはシミックホールディングス(シミックHD)とCRO(医薬品開発業務受託機関)事業における戦略的資本提携で合意し、シミックHD傘下のシミックの株式60.0%を取得した。
製薬会社が医薬品の治験を行う際、アウトソースするプロ集団がCROであり、治験設計や運営、データ解析、書類作成、申請業務等を全て行う。一方、SMO事業は、治験を実施する医療機関と契約し、臨床現場で治験業務を支援する。
世界の医薬品市場及び治験数は引き続き成長が見込まれている。しかし、日本が占める割合は、かつて10%を超える時期もあったが、いまでは米国、中国、ドイツに次ぐ4位で、5%未満となっている。新薬を開発する企業にとって、日本は米国等と比較して薬価抑制制度で利益が抑え込まれる上、日本固有の複雑な申請プロセスもあって、認可までに時間がかかる市場と見なされていることが背景にある。
アイロムG、シミックの両社は、グローバル展開も含めた成長加速が課題であった。ブラックストーンは世界中でヘルスケア、特に治験領域や創薬領域に力を入れて投資を行っており、両社にとって最適なパートナーとして選ばれた。相次いで治験会社大手と戦略的資本業務提携を実行したブラックストーンの担当者に、その狙いと成長戦略を聞いた。

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