[M&Aスクランブル]

(2021/11/22)

オリックスがM&A仲介業に後発参入する理由

グループ内顧客基盤、提供サービスの品質に手応え

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 オリックスが2021年11月から中小企業のM&A(合併・買収)仲介業に本格参入した。すでに営業活動を本格的に開始しており、早ければ21年度内にも第一号の成約案件が生まれそうな状況だ。

 M&A仲介業務を担当するのは、18年10月に発足した法人営業本部の国内事業推進部にある事業承継ソリューションチーム。21年4月から事業承継ソリューションチームにおいてM&A仲介業務への参入準備を開始した。現在、全国の支店と連携しながら、M&A仲介の専担者10人態勢で中小企業の事業承継に関するソリューション業務に本格的に取り組んでいる。

 今後の5年間で事業承継ソリューションチームの専担者は現在の3倍の30人規模に増員する予定で、M&A成約件数は5年後の26年度中に年80件程度に伸ばしたい考えだ。M&A仲介会社等の買収や専門人材の採用等は現状では考えておらず、「オリックスグループの人材や経営資源を育成・活用していく」(国内事業推進部・丸山大輔部長)方針という。

 オリックスの強みは、親族や第三者へのM&A仲介業務だけに留まらず、オリックスのグループ全体で、多様な事業承継ソリューションサービスが展開できる点になる。「親族内承継をする場合の株式承継対策や、従業員承継をする場合の資本政策のアドバイスができるノウハウがある点が、銀行や証券会社等にないオリックスの強み」(事業承継ソリューションチーム)。オリックスには全国に80拠点があり、営業人員は500人の体制。リース契約先などの既存取引先に対して、オリックスが提携する税理士法人や会計事務所などと連携して企業の株式移譲スキームや資本政策に対するコンサルティング業務を行っている。そこで得られた知見を仲介業務に生かしていく(図表1)。

(図表1) オリックスが提供する事業承継ソリューションの全体像
(図表1) オリックスが提供する事業承継ソリューションの全体像
(出所)オリックス

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