[業界動向「M&Aでみる日本の産業新地図」]
2015年1月号 243号
(2014/12/15)
縮小傾向にあった人材派遣業界に好転の兆しが見え始めている。その中でシェア拡大や海外事業の拡大を巡って積極的なM&Aが展開されている。有力アナリストに人材サービス業界の現状と成長戦略を聞いた。
拡大傾向に転じる人材需要
社団法人日本人材派遣協会、社団法人日本人材紹介事業協会、社団法人全国求人情報協会、社団法人日本生産技能労務協会の4つの人材サービス産業の民間団体が2011年11月にまとめた「2020年の労働市場と人材サービス産業の役割」によると、求人広告、職業紹介、派遣、請負という人材サービスの代表的な形態について推計した市場規模は、合計約9兆円に上ると見られている。このうち、人材サービス産業の過半を占める派遣事業について市場規模の推移を見ると、01年度には1兆9462億円であったものがその後高い成長率を維持し、08年には7兆7892億円にまで拡大した。しかしその後、経済不況や労働者派遣法による規制強化で09年度6兆3055億円、10年度5兆3468億円と年々縮小傾向をたどった。それが、ここへきて好転の兆しが見え始めている。総務省によると、14年8月の完全失業率(季節調整値)は3.5%で、前月から0.3ポイント低下。また、厚生労働省が発表した8月の有効求人倍率は1.10倍となっており、「アベノミクス」効果による景気の緩やかな改善を背景に人材サービスに対する需要は全体として拡大傾向にある。
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