[編集部から]

2024年7月号 357号

(2024/06/11)

次号予告と編集後記(2024年7月号)

次号予告

2024年8月号
特集:投資銀行の実務現場を知る――シティグループ証券の若手バンカー座談会
2024年7月9日 マールオンライン上のリリース 
2024年7月16日 発売
※内容は変更されることがあります。タイトルは仮題です。

編集後記

■東京証券取引所上場部の調査*によると、2024年3月期の内国上場会社の定時株主総会は、6月27日(木)に29.7%と最も集中する見込みとされています。
多くの企業が、将来の持続的成長に向けてM&Aや他社とのアライアンスなど、積極的な戦略投資を行うとの方針を中期経営計画などで明らかにしています。2020年9月には、経済産業省より「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書 ~人材版伊藤レポート~」が公表され、ステークホルダーに向けた情報発信・対話の重要性が大きく取り上げられました。しかし、M&Aや他社とのアライアンスの詳細に関してメディアを通じた情報公開はまだまだ不十分だと感じます。
企業価値を上げ、成長促進につなげる「広報戦略」の重要性が高まる中、M&Aや他社とのアライアンスの詳細に関して、担当部署には積極的な取材対応をお願いしたいと思います。(耕)

*回答社数:1789社(全市場79%)、プライム市場954社(84%)、スタンダード市場741社(77%)、グロース市場94社(56%)。

■日銀の金融政策の方向性を決定付ける指標の1つ「消費者物価指数」は、総務省統計局の「小売物価統計調査」による小売価格を、同局の「家計調査」の結果等に基づきウェイトを調整して算出します。
指数に用いる小売価格の品目は、2020年の基準改定で追加や廃止、統合が行われ、582品目になりました。見直しには基準があり、一部抜粋すると「新たな財・サービスの出現や普及、嗜好の変化などによる消費構造の変化に伴い、家計消費支出上重要度が高くなった品目」など3つの基準すべてを満たすと追加され、逆に「消費構造の変化などに伴い、家計消費支出上重要度が低くなった品目」など3つの基準いずれかに該当し、かつ中分類の代表性を損なうと判断されない品目は廃止されます。ちなみに20年は「整理だんす」「固定電話機」などが廃止に。また「写真プリント代」が廃止され、替わりに「写真撮影代」が追加された点にはライフスタイルの変化を感じます。
企業は社会に新たな財やサービスを供給し、消費構造に変化をもたらす主体と言えます。今では多くの企業がM&Aを成長戦略に位置づけ、スタートアップにも多額の資金が投じられていますから、数年のうちに生活を一変させるようなビジネスが生まれても不思議ではありません。基準改定は5年ごとの実施です。今後どのような品目に置き換わっていくのでしょうか。(誠)

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