[M&Aの現場から]

2023年2月号 340号

(2022/12/16)

ワイエムコンサルティング 山口FG傘下3行と連携、年間5.5億円の手数料を獲得

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※本記事は、M&A専門誌マール 2023年2月号 通巻340号(2023/1/18発売予定)の記事です。速報性を重視し、先行リリースしました。
ワイエムコンサルティング 久保哲秀社長(左)、辻屋誠専務(右)

ワイエムコンサルティング 久保哲秀社長(左)、辻屋誠専務(右)

「M&A事業部」設立の効果

 山口フィナンシャルグループ(山口FG)は、2006年に山口銀行(山口県)、もみじ銀行(広島県)の経営統合により設立された銀行持株会社である。2011年には、山口銀行の九州内の店舗を北九州銀行(福岡県)として分離・開業させ、3行体制に移行し、その後11年が経過している。

 山口FGでは2011年以降、グループの法人取引先に向けてコンサルティングサービスを提供するワイエムコンサルティング(YMCC、本社は山口県下関市)の「M&A事業部」がM&A関連業務に取り組んでいる。2022年11月現在、14人がM&A事業部に所属する。また、ワイエムコンサルティングには、M&A事業部の他に、事業承継、経営戦略構築などの経営コンサル業務を担当する「コンサルティング事業部」、システム業務支援を担当する「情報システム事業部」、会員向けサービスを提供する「会員事業部」があり、役職員は計98人いる。

(図表1)山口FGの事業エリアと銀行との連携のスキーム

山口FGの事業エリア

銀行との連携のスキーム
(出所)山口フィナンシャルグループ

 M&Aアドバイザリー業務は2011年以前、グループの各銀行内で本部(営業部門)の一部業務として行われてきた。約10年前に独立した事業部としてM&A事業部を新設し、各行のM&Aアドバイザリー業務をワイエムコンサルティングに一元化した。その結果、「3県にまたがる顧客基盤を活かすことでマッチングの幅が広がっており、地域と顧客に対するサービス向上につながっている」(辻屋誠専務)という。専門性の向上に向け、積極的な人への投資も行っている。

 現在、M&A事業部が取り組んでいる案件のほとんどが、グループの3つの銀行から取り次ぎを受けたM&Aニーズに基づくものであり、地元の事業会社から直接相談を受けるパターンが多い。その多くが事業承継関連で、会社の譲渡案件だ。もっとも、銀行連携だけではなく、一部の案件は、ワイエムコンサルティングの他部署との連携によって、M&Aに取り組むケースもある。

 山口県内の主要な支店で長年にわたり支店長を務めたワイエムコンサルティングの辻屋誠専務は、「M&Aなどによる円滑な事業承継と、10年先の事業を事業者と山口FGが一緒になって考えていく次世代経営者のための社業引継ぎ支援を「事業性評価活動」と読んでいる。広域型地方銀行ならではの豊富な企業情報を駆使したマッチング力を活かして、M&Aアドバイザリー業務を展開していきたい」と抱負を述べる。

件数は10年で約10倍と急成長

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