[Webインタビュー]

(2018/08/31)

【第96回】【厚生労働省】三浦明・医政局経済課長が語る、これからの医療政策 ~効率的かつ質の高い医療体制の確立と病院再編

三浦 明(厚生労働省 医政局経済課長)
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『地域医療構想』とは

―― 厚生労働省が進めている『地域医療構想』について教えてください。

 「『地域医療構想』とは、団塊の世代が75歳以上になる2025年の医療需要(患者数)を予測し、そのときに必要な医療機能を考え、在宅医療ニーズも含めて最適な地域医療の形を組み立てる材料となるものです。具体的には、病院の病床(入院ベッド)の機能を「高度急性期・急性期・回復期・慢性期」の4つに分け、都道府県内にある二次医療圏(一般的な医療サービスを提供する単位)をベースにした構想区域を単位にして、それぞれに必要な病床数を定めていくもので、この地域医療構想を実現していくため、各都道府県に『地域医療構想調整会議』を設置し、協議を進めていただいています」

人口減少と2025年問題

 「どうしても私ども霞が関におりますと、やはり人口という話は避けて通れないところです。日本の人口は近年、減少局面を迎えています。2016年の生産年齢人口(15~64歳)割合は60.3%で、年々下がっていく傾向です。一方で、高齢化率(65歳以上人口割合)は27.3%で、増加傾向にあります。それからもう一つ、合計特殊出生率は1.44で推移しています。合計特殊出生率は女性が生涯に子供を産む数ですが、おおむね2.08から2.1ぐらいないと人口が維持できないと言われています。

 人口を立体的に見たものが人口ピラミッド(人口構造)です。ご覧いただきますと、2つの大きな塊があります。いわゆる団塊世代(1947~49年生まれ)と団塊ジュニア世代(1971~74年生まれ)です。この世代が年をとり、少しずつ上のほうにあがっているわけです。もう一つ注目したいのがこの団塊ジュニアの動向です。団塊ジュニアはバブル期直後に20代、30代を過ごしていますが、この時期、まさに合計特殊出生率が極めて低位だったということ、そして、その結果としていわゆる第3次ベビーブームは日本にはないということが厳然たる事実としてあるわけです。すなわち...


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