[視点]

2021年11月号 325号

(2021/10/11)

「会社補償」活用のすすめ

落合 誠一(東京大学 名誉教授)
  • A,B,EXコース
1.本稿の目的

 すべてのステークホルダーが会社経営者に望むことは何か。それは、経営者が、社会的規範を遵守しつつ、中長期の企業価値の向上を図ることである。そのためには、経営者は、「守りの経営」のみならず、「攻めの経営」を実行していかなければならない。しかし経営者が、良かれと思った経営決定が、思い通りにいくとは限らない。ときとしてそれが、裏目に出て、企業価値が大きく毀損することもある。その結果、会社あるいは第三者に損害が出るとなれば、当該会社・第三者から、当該経営者の責任を追及する訴訟が提起されることも生じ得る。そうすると、経営者は、その対応に神経をすり減らすのみならず、弁護士への依頼等も必要となる。しかも第一審で済めばよいが、最上級審まで続くかもしれない。さらに敗訴となれば、場合によっては破産も覚悟すべき莫大な損害賠償金の支払も覚悟しなければならない。
 もし経営者が、そうした事態を危惧して、リスクをとろうとしない安全運転の経営に徹するとなると、

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