[M&Aの現場から]

2022年9月号 335号

(2022/08/01)

【広島銀行】約20人態勢でM&A・事業承継を推進~銀行持株会社ひろぎんHDを軸に多方面で連携強化

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※本記事は、M&A専門誌マール 2022年9月号 通巻335号(2022/8/15発売予定)の記事です。速報性を重視し、先行リリースしました。
左から卜部龍太氏、大石泰博氏

銀行業務以外を強化

 広島銀行は2020年10月、「ひろぎんホールディングス(ひろぎんHD)」を設立し、持株会社体制に移行した。広島銀行はHD傘下に入り、銀行以外のグループ各社と相互に取引先を紹介し顧客軸を拡大していく。同時に、各社機能の組み合わせや新事業創出・アライアンスによる業務軸拡大により旧来的な銀行業から脱皮し、IT、リースなど多様なソリューションを有する「地域総合サービスグループ」への企業変革を目指している。銀行業務以外のビジネスを本格展開しやすくするのが、HD設立に至った大きな目的だ。

 持株会社傘下には、銀行、証券、リースなどの金融分野に加え、IT、人材紹介関連会社などの非金融分野の会社をぶら下げる組織体制に移行している。2020年10月に発表した中期経営計画では、広島を中心とした地元4県(広島・岡山・山口・愛媛)マーケットで業務軸・顧客軸の深化・拡大を図りつつ、「地域のあらゆる課題解決に取り組む」との方針を示した。

 新しい組織体制で収益の柱の一つに位置付けられたのが、事業承継・M&A関連業務だ。長引く低金利下で従来型の預貸金業務だけでは地域金融機関の持続的な経営は難しく、中計にも「銀行を中心とした従来の体制では持続的成長は困難」と明記した。そうしたなか、新たな収益源を確保すべきとの危機感も組織内で共有されつつある。

専担者19人で対応

 現在は、ひろぎんHD傘下の広島銀行の「法人営業部」がM&A・事業承継関連業務を担当している(図表1)。法人営業部でM&Aも含めて事業承継全般の相談を担当するのは、金融サービス室の「事業承継コンサルティングチーム」だ。

 遡ると、広島銀行は1996年春にM&Aアドバイザリー業務の専担者を置いた。10年近くM&A関連業務に関わっている法人営業部の大石泰博金融サービス室担当課長によれば、「90年代当時のM&Aは、地元取引先から秘密裏に、『誰にも知られたくない』と言われて話を進めるような性質の仕事だったが、この10年でM&Aが事業承継の有力な選択肢として認知されたこともあり、状況は変化した。最近はM&Aも含めて事業承継について一緒に考えて欲しいという類の相談が寄せられるようになってきている」と振り返る。

735件の相談件数、手数料収入は約6億円で推移

 高齢化や後継者不足を背景に、事業承継が地域経済にとって益々重要な課題となるなか、広島銀行では本部のM&Aアドバイザリー業務の担当者が中心となって事業承継をサポートしており、相談件数は右肩上がりに増えている。

 M&A・事業承継の伸びは近年著しく、

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