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[業界動向「M&Aでみる日本の産業新地図」]

2020年5月号 307号

(2020/04/15)

第181回 ホテル・旅館業界~地域活性化に向けた提携が話題に

澤田 英之(レコフ 企画管理部 リサーチ担当)
1. 篠山(ささやま)モデルと呼ばれる丹波篠山市の「分散型ホテル」構想

 兵庫県の中東部に丹波篠山市という人口約4万人の市がある。市の中心部は四方を山に囲まれた篠山盆地にあり、山林、農地の多い自然の豊かな地域である。1999年に当時の多紀郡篠山町、西紀町、丹南町、今田町の4町が合併して篠山市が誕生し2019年に丹波篠山市に名称を変更した。篠山は京都と山陰、山陽を結ぶ交通の要衝として、軍事上古くから重要視され、1609年には徳川家康によって篠山城が築城された。目的は徳川家康が警戒する豊臣家の居城・大坂城と、豊臣家と縁のある西国大名の分断だったと言われている。

 篠山市の中心部から数Km離れた山あいに丸山地区という集落がある。丸山地区は日本の原風景のような美しい里山と古民家を擁していたが、少子高齢化の進行などによって2008年当時、同地区全12戸のうち7戸が空き家の限界集落であった。強い危機感をもった当時の篠山市副市長と丸山地区自治体会長の呼び掛けのもと、集落の住民は景観と集落維持のプランについて集中的な討議を重ね、空き家となっている古民家を改修し宿泊施設やレストランとして活用するという策を打ち出した。2009年には宿泊施設の運営などを目的に集落の住民で構成されるNPO法人集落丸山が設立された。また、篠山市副市長を代表理事とする一般社団法人ノオトが、既存の篠山市出資法人から事業を承継する形で発足した。ノオトは資金調達や改修工事、事業企画及び運営を総合的に支援。集落丸山とノオトはLLP(有限責任事業組合)丸山プロジェクトを立ち上げ、空き家、空き地などの所有者はこれらをLLPに無償で貸与した(図表1参照)。LLPは国土交通省補助金や銀行融資などによって調達した約7000万円の資金によって古民家を改修し、2009年、宿泊施設3棟とレストランを開業した。インターネットや口コミによって評判が広がり宿泊客や来訪者が徐々に増加。地域住民の多くが宿泊施設やイベントの運営に関わるようになり、集落には活気が戻ったという。

 並行してノオトが中心となり事業を篠山市内へと拡大。篠山市の城下町を「ひとつのホテル」に見立て、空き家になった町家や武家屋敷を改修しカフェや工房、レストランなどの運営を始めた。そして国家戦略特区による旅館業法の玄関帳場(フロント)設置義務に関わる規制緩和や地域経済活性化支援機構(REVIC)による出資及び融資を受け、2015年、

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