[視点]
2009年11月号 181号
(2009/10/15)
リーマン・ショック
昨年九月の「リーマン・ショック」から一年が過ぎた。世界金融危機から始まった今回の危機は、ただちに自動車産業をはじめとする製造業を巻き込み、さらには投資・消費・雇用など経済活動全般を直撃して、世界経済危機へと広がった。「百年に一度の危機」といわれ、また人びとは長らく忘れていた「世界恐慌」の語を思い起こした。
と同時に、マスコミや論壇ではこの間、「アメリカ投資銀行モデルの崩壊」「金融資本主義の終焉」といった言葉が華々しく踊った。まことに、この十数年のアメリカの「繁栄」をリードした投資銀行が救済買収、破綻、業態変更によって瞬時にすべて消滅したのだから、まさしく投資銀行モデルは崩壊した。また、投資銀行を中心にして世界のマネーをアメリカに集中し、そこからまた世界に投資するという金融資本主義も挫折した。
だが、アメリカ型金融資本主義が終わったということは、もう少し広い視野からみて一体どういうことなのか。一九八〇年代ないし一九九〇年代以降のアメリカ資本主義を「金融主導型成長モデル」と名づけて、これを時間軸(歴史)と空間軸(日米対比)の双方から位置づけておくことは、日本の今後の針路を考えるうえでも役立つにちがいない。
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