コンシューマ業界に特化した世界最大級のPE投資会社と提携
Withmal(ウィズマル)ホールディングス(以下、Withmal)が2023年9月、コンシューマ業界に特化した世界最大級のプライベートエクイティ(PE)投資会社であるLキャタルトンのアジアファンド、Lキャタルトン・アジアと資本提携を実施した。
Withmalは、獣医師の山崎智輝氏によって2018年2月に動物病院向けのホームページ制作会社として設立された。その後、後継者不足に悩む動物病院の事業承継の受け皿となることで、動物病院という社会的なインフラの存続及び地域経済の活性化に寄与することを目指してM&Aを開始。2020年に沖縄県の動物病院を譲受したのが第1号で、現状、全国で26件の動物病院を譲り受けて経営している。
Withmal と資本提携したLキャタルトンは、1989年以来キャタルトン・パートナーズが運用してきた北米・南米を中心としたPE事業と、2001年以来LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンとFinancière Agacheが運用してきた欧州及びアジアのPEおよび不動産投資開発事業であるLキャピタルが、2016年に統合することによって設立された。全世界で17のオフィスを構え、複数のファンドを通じて340億ドル以上の資金を運用。業界を代表するコンシューマ・ブランドへの投資を265件以上行っている。Lキャタルトン・アジアの日本進出は2017年。2018年に日本法人、Lキャタルトン・ジャパンを設立している。日本国内投資実績としては、OWNDAYS(メガネ販売チェーン:2019年1月)、ETVOS(化粧品:2020年4月)、Ci FLAVORS(化粧品:2022年3月)への投資実績を持つ。
今回の資本提携の経緯、今後の成長戦略について、Withmalホールディングスの山崎智輝代表取締役CEO、Lキャタルトン・ジャパンの山口龍平プリンシパルに聞いた。
<インタビュー>
事業承継によって継続性のある「動物のインフラ」を再生させる
山崎 智輝(Withmalホールディングス 代表取締役CEO)
山口 龍平(Lキャタルトン・ジャパン合同会社 プリンシパル)
- <目次>
- 獣医大学在学中にWithmalを設立
- 動物病院の事業承継M&Aへ
- 第1号案件は沖縄の動物病院再建
- これまでに26院を譲り受け
- “非ドミナント型”が特徴
- 動物病院の約6割が個人経営
- 病院名のブランド統一は行わない
- Lキャタルトンとの資本提携の経緯
- 年間5件以上のペースで
獣医大学在学中にWithmalを設立
―― Withmalは後継者不足に悩む動物病院の事業承継の受け皿を目指して積極的なM&Aを行っています。Withmal設立の経緯を教えてください。