[視点]

2024年11月号 361号

(2024/10/09)

「中小M&Aガイドライン改訂(第3版)」浸透への期待

木俣 貴光(三菱UFJリサーチ&コンサルティング コーポレートアドバイザリー部長 プリンシパル)
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1. はじめに

 中小企業庁は、2024年8月30日に「中小M&Aガイドライン(第3版)」(以下「ガイドライン」という。)を公表した。

 筆者は、「中小M&Aガイドライン改訂小委員会」の委員として、第2版に引き続き、今回の改訂についても関与させていただいた。

 検討期間中、悪質な事業者による買収事案が報道されたこともあり、今回の改訂では「不適切な事業者の排除」も重要な項目として取り上げるなど、足元の中小M&Aにおける課題への対処方針が随所に盛り込まれた点で、実務上も意義の大きな改訂となっている。

 本稿では、今回の改訂の概要を解説するとともに、今後の期待について述べることとしたい。

2. 中小M&Aガイドライン改訂(第3版)の概要

(1) 仲介者・FA(フィナンシャル・アドバイザー)の手数料・提供業務に関する事項


■筆者プロフィール■

木俣 貴光(きまた・たかみつ)木俣 貴光(きまた・たかみつ)
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 コーポレートアドバイザリー部長 プリンシパル
早稲田大学政治経済学部卒業後、大手石油会社、外資系コンサルティング会社を経て現職。専門は、M&A、事業承継、グループ組織再編等。名古屋市立大学大学院修了(経済学修士)。中小企業庁「中小PMIガイドライン策定小委員会」委員、「中小M&Aガイドライン改訂小委員会」委員等を歴任。主な著書に『企業買収の実務プロセス第3版』(中央経済社、2021年)、『M&A戦略の立案プロセス』(中央経済社、2019年)《第14回M&Aフォーラム賞奨励賞受賞》、『企業買収』(中央経済社、2012年)《第6回M&Aフォーラム賞奨励賞受賞》などM&A関連の著書多数。

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