あおぞら銀行のM&A収益は、2024年3月期は17億円と過去最高を達成した。これを早期に20億円以上、将来的に30億円に増やす。目標達成の鍵になりそうなのが、地方の主要都市に企業情報部の行員を常駐させる取り組みと、大和証券グループとの連携強化だ。リソースの拡充を進め、案件の掘り起こしを目指す。
早期に20億円以上、将来的に30億円の手数料収入の達成が目標 地方銀行とも3メガバンクとも異なる業容を持つあおぞら銀行では、M&Aのアドバイザリー業務において、あおぞら銀行の企業情報部と銀行の100%子会社である「ABNアドバイザーズ」(ABN)が両輪となり取り組んでいる。
あおぞら銀行の企業情報部では、
クロスボーダー案件を含め、主に大企業や中堅企業向けのアドバイザリー業務を担当している。しかし、この10年ほどは事業承継を中心とした中小企業のM&Aニーズが急増したことから、2017年にABNを設立した。
ABNは事業承継を中心とした国内中小企業のM&Aを担当しており、仲介業務を主流として手掛けている。設立当初の2017年はABNでも片側の
FA業務が中心だったが、約3年前からは、仲介業務を主流にした。現在、「銀行はFA業務のみ、ABNでは主に仲介業務を行う」という役割分担にしている。
ABN設立前はM&A収益は年間約5億円水準だった。しかし、2017年5月にABNを設立したのち、2018年度からABNと企業情報部の両輪での営業を開始。2022年3月期には両者で合わせて10億円を超える収益を達成しており、2024年3月期は17億円と過去最高になった。「これを早期に20億円以上、将来的に30億円にしていきたい」(高橋秀 執行役員 M&Aアドバイザリー本部長)。