[M&Aトピックス]

(2025/06/26)

経済産業省が「企業価値向上に向けた海外資本活用ガイドブック」を作成

~海外資本活用の基礎知識や有効性を高める5つの基本的行動を提示~

 経済産業省は6月25日、「企業価値向上に向けた海外資本活用ガイドブック」を公表した。

 海外PEファンド等による日本企業への投資により、海外資本活用の認知度は高まってきたが、一方でその具体的な進め方や留意点について、まだ十分に浸透していないとの指摘もある。このため、海外資本活用をより具体的に検討することが可能となるよう、本ガイドブックが取りまとめられた。

 本ガイドブックは、2部構成になっている。第1部では、日本企業が海外資本活用を具体的に検討するにあたって備えておくべき基礎知識が提示されている。具体的には、①海外資本活用の類型や動向、②出資者、日本企業、中間プレーヤーといったプレーヤーの概要、③戦略策定からPMIまでの基本的なプロセス、④海外資本活用の有効性、⑤留意点・リスクが解説されている。

 第2部では、海外資本活用の有効性を高めるために日本企業の経営層に期待される5つの基本的行動が提示されている。海外資本活用の基本的なプロセスのうち、以下の5つの段階に分けて、基本的行動を実践するためのポイントも記載されている。

①戦略策定:戦略の明確化と選択肢の見極め
②マッチング:中長期的な価値を実現できる経営手段の精査
③交渉:価値の源泉・リスクを踏まえた主体的な交渉
④最終合意:従業員や取引先への前向きなメッセージの発信
⑤PMI:対話の継続による信頼関係構築と価値実現

 また、参考事例では、海外資本活用を経て企業価値の向上を実現した日本企業の成功事例として中外製薬をはじめとした5社の具体的な行動が紹介されている。

 なお、経済産業省では、独立行政法人経済産業研究所(RIETI)とともに、本ガイドブックの概要説明や海外資本活用に関する講演、関連事例として掲載した企業による事例紹介を行うセミナーを7月16日(水)12:15からオンラインにて開催する予定(参加無料)。

■経済産業省「企業価値向上に向けた海外資本活用ガイドブック」
https://www.meti.go.jp/press/2025/06/20250625001/20250625001.html

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