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[M&A戦略と会計・税務・財務]

2018年9月号 287号

(2018/08/15)

第135回 コネクテッド・インダストリーズと新たなビジネスモデル開発への支援制度

荒井 優美子(PwC税理士法人 タックス・ディレクター)
1. コネクテッド・インダストリーズとは

 IoT(モノのインターネット)、Big Data、人工知能(AI)は、今後の新たな価値を生み出すための不可欠のデジタルテクノロジーと言われている。インターネットによるサービス消費が急増し、企業側での生成データの蓄積や、データ利活用による新たな価値創造の可能性が高まっている一方で、欧米に比較して我が国ではフィンテックやシェアリングサービスをはじめとした新サービスの利用意向は低く、その底上げが課題とされてきた。第4次産業革命が進展し、グローバル競争が熾烈化を極める中で、これらのテクノロジーを活用した我が国産業の競争力の強化は、これからの日本の持続的成長を実現するための政府の最重要課題として、政府が取り組みを進めている産業政策の1つである。

 人、モノ、技術、組織等が様々につながることにより新たな価値創出を図る「Connected Industries」は、第4次産業革命に次ぐ我が国の産業が目指すべき姿(コンセプト)、すなわち「日本の産業の未来を示す新たなビジョン」として、2017年3月の国際情報通信技術見本市「CeBIT(セビット)2017」において日本政府により初めて提唱された。コネクテッド・インダストリーズの基本的な考え方は、様々な業種、企業、人、機械、データなどがつながり、AI等の活用によって、新たな付加価値や製品・サービスを創出することで企業の生産性を向上させ、高齢化、人手不足、環境・エネルギー制約などの社会課題の解決を図る、というものである(図表1参照)。コネクテッド・インダストリーズが目標として掲げるのは、①人と機械・システムが協調する新しいデジタル社会の実現、②協力や協働を通じた課題解決、③デジタル技術の進展に即した人材育成の積極推進、である。

 つながりによる新たな付加価値や製品・サービスの創出と企業の生産性の向上、産業競争力の強化は、これまでの Made in Japan、産業用ロボット、カイゼン等に続く、日本の製造業の新たな強みになることが期待されており、その横断的取組 として「産業データ共有事業の認定制度」の創設(生産性向上特別措法第6条~)やデータ提供要請制度の検討と併せて、IoT投資の抜本強化を図る投資減税(コネクテッド・インダストリーズ税制)が平成30年度税制改正により創設され、市場成長性や社会的意義の大きさ等から、5つの重点取組分野を定め(自動走行・モビリティサービス、ものづくり・ロボティクス、バイオ・素材、プラント・インフラ保安、スマートライフ)、取組の加速化と政策資源の集中投入を図ることとしている。

【図表1 Connected Industriesの考え方】

本稿では、コネクテッド・インダストリーズによる新たなビジネスモデル開発への支援制度について解説する。


2. コネクテッド・インダストリーズの対象分野と横断的課題

 コネクテッド・インダストリーズは企業、機械、人などがデータを介して「つながる」ことにより、新しい価値創造や生産性向上がもたらされるものであるため、業種や業態は特に限定されない。ただし、今後我が国が直面する、高齢化、人手不足、環境・エネルギー制約などの社会問題に関連して早急な取組みが必要とされ、市場規模の拡大が期待される5つの重点取組分野を定めて、分野毎の課題の抽出と今後の取組みの方向性の策定を行っている(図表2参照)。

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