[M&A戦略と法務]
2014年6月号 236号
(2014/05/15)
第1 はじめに
近年、知的財産権の企業活動における重要性はますます増大し、企業価値を維持・拡大するための一つの重要な戦略として位置付けられるようになっている。M&Aの活用場面でも知的財産権の取得そのものをM&Aの目的とする案件もあり(注1)、また、直接的な目的ではなかったとしても、知的財産権の位置付けが極めて重要なM&Aは多数存在する。
M&Aの局面で生じる知的財産権に関連した法的論点は多数にわたるものの、本稿ではそれらの中で特に2点、(1)一部部門譲渡の局面における知的財産権の切り分けの問題、と(2)職務発明における相当の対価請求権のM&Aにおける帰趨、の2点について考察を行うこととしたい。これらの問題は法律等の解釈論そのものが問題となるというよりは、生じ得る問題点を前提として契約などによっていかなる処理を行うべきかという極めて実務的な処理の手法を考察するものであり、実務論考として取り上げるに適する素材といえるものである。なお、本稿で特に断らない場合「知的財産権」(以下「知財」という)はもっぱら特許権を中心とした工業知的財産権をさすものとして用いることとする。
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