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[M&A戦略と法務]

2016年7月号 261号

(2016/06/15)

プロ向けファンド制度に関する改正金融商品取引法の施行と実務上の留意点

 中西 健太郎(TMI総合法律事務所 弁護士)
 岩井 宏樹(TMI総合法律事務所 弁護士)

1 はじめに

  適格機関投資家等特例業務(以下「特例業務」という)に関する制度(以下「プロ向けファンド制度」といい、プロ向けファンド制度により組成・運用されているファンドを「プロ向けファンド」という)の改正を盛り込んだ平成27年改正金融商品取引法(以下「改正法」という)が、平成28年3月1日から施行された(注1)。

  プロ向けファンド制度は、金融商品取引業の登録を受けることなく(注2)、当局に対して届出をすることによって、1名以上の適格機関投資家(以下「プロ投資家」という)と49名以下の適格機関投資家以外の投資家(以下「アマ投資家」という)に対して、集団投資スキーム持分(いわゆる「ファンド持分」のこと。以下同じ)の販売勧誘や、これにより組成されたファンドの運用ができる制度である。

  この制度は、我が国におけるいわゆるベンチャー・ファンド(以下「VF」という)やバイアウト・ファンド等、M&A取引と深い関係を有するファンドにも広く利用されているものである(注3)。また、今般の改正では、VFの成長資金の供給といった役割があることに鑑み、後述するような一定の要件を満たしたVF(注4)については、プロ向けファンド制度にかかる要件や規制を緩和する特例を用意している。このため、今般の改正が新規の、あるいは既存のVF等に対して与える影響は小さくないと思われる。

  そこで、本稿では、今般のプロ向けファンド制度の改正内容及びプロ向けファンドの組成・運用業務に際して実務上留意すべき点を概説することとする。

(注1) 改正法に関して整備された金融商品取引法施行令(以下「施行令」という)、金融商品取引業等に関する内閣府令(以下「業府令」という)等の関係政府令については、同年2月3日に公布され、一部公布日から施行された部分を除き、改正法と同時に施行されている。
(注2) ファンド持分の販売勧誘(取得勧誘)業務は、金融商品取引法(以下「法」という)上は第二種金融商品取引業に該当するものである。また、ファンド持分の販売により集めた資金を、主として株式等の有価証券に投資して運用する業務は投資運用業に該当することになる。したがって、いずれの業務を行うにも、金融商品取引業の登録(法29条)が必要になるのが原則となる。
(注3) 組成・運用がされているプロ向けファンドの商品分類(平成25年度・調査対象は国内業者)では、ファンド数ベースでは、VFが25%程度を占めているとされている(バイアウト・ファンドは4%)。また、運用財産額ベースでは、不動産ファンドが約7割を占めているものの、バイアウト・ファンド(6%)、VF(5%)がそれに続いているとされている(田原泰雅監修『逐条解説2015年金融商品取引法改正』2頁(商事法務、2016年))。
(注4) なお、一定の要件を満たす限り特例による恩恵を受けられるのであって、必ずしもVFである必要はなく、いわゆるVF以外のファンドであっても、かかる特例による恩恵を受け得る。

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