物流業界においては2024年4月に、いわゆる働き方改革関連法に絡んで、時間外労働の規制が導入される。これは「2024年問題」として知られ、トラックドライバーの時間外労働時間の上限が年間960時間に制限されるものである。このため、会社の売り上げや利益の減少、また、トラックドライバーの収入源といった問題が深刻化するのではないかと言われている。来るべきこうした問題に備えて、物流業界では今後、大手運送業者、中小型業者を巻き込んだ業界再編が本格化するとみられている。その過程において、M&Aが対応策のひとつとなるが、その効果はまず、経費の削減である。M&Aでグループを形成することで、燃料費や車両費の削減が可能になる。
燃料費については小規模で細かく燃料を仕入れるよりも購入量を増大させて燃料単価を減少させることができる。ここで中堅や小型の運送業者が大手業者の傘下に入るメリットが生じる。また、業者がまとまることで、自社内に燃料タンク(インタンク化)を設置すれば、元売り業者から直接、軽油など購入することになり、通常のガソリンスタンドからの購入よりも割安となる。
一方、車両費については、…