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2020年12月号 314号

(2020/11/16)

非友好的な買収提案と取締役会の対応の在り方

大杉 謙一(中央大学法科大学院 教授)
1.敵対的買収をめぐる現状

 先日、学者と実務家との会合で「なぜ日本では本格的な敵対的買収が増えないのか」が議論された。
 周知のとおり、「敵対的買収」すなわち対象会社の経営陣が賛同していない企業買収の件数は、ここ2、3年ほど増加している(表1)。そして、TOBが下限を超えて成立した事例も少なくない。前田建設工業の前田道路に対するTOB(2020年1月公表)では、TOBの前後で株式保有比率が24%から51%に引き上げられ、これは敵対的買収の成功例であるといってよいだろう(今後の経営統合がうまくいくのかは未知数であるが)。
 他方で、敵対的なTOBの事例を見ても、その多くの事案は下限が50%以下に設定されている。法的な意味でTOBが成立したものの、獲得できた株式が30%に満たないという事例は、買収者が事業会社の場合には「成功例」と呼ぶことに抵抗感もある(表1ではそのような事例の成否を「△」としている)。欧米では、法規制により、あるいはM&A実務として、対象会社の全株を取得しようとすることが一般的なので、そのイメージからすると、わが国での敵対的買収は依然として低調であり、特に成功例はまだまだ少ないと筆者は考えている。

2.取締役の株主に対する義務

 冒頭で述べた会合で、ある実務家が「上場会社に非友好的な買収の提案があり、提案者が対象会社に対してデュー・ディリジェンスを求めてきた場合に、

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