絶好調のトライアルの業績 新興のディスカウントスーパーであるトライアルホールディングス(以下、トライアル)が2025年3月5日、老舗の大手スーパー、西友を買収し、
完全子会社化することを発表した。買収金額は3800億円で手元資金と銀行からの借入金で調達する。実際の株式取得は7月1日の予定。上場したばかりの新興スーパーが大手老舗スーパーに買収をかけたことが意外性を持って受け止められているようだ。ただ、トライアルは新興とは言え、24年6月期の売上高は7179億円と西友の4835億円(24年12月期)を大きく上回る。西友を取り込むことで売上高は1.2兆円となり、日本で7番目の巨大流通グループが誕生することになる(図表1小売業の売上高ランキングを参照)。
トライアルは福岡県を拠点に全国に343店舗(25年2月末時点)を展開している。ディスカウントスーパーというだけあり、その特徴は商品の低価格にある(たとえばパン1斤95円、おにぎり59円など)。いわゆるEDLP(エブリディ ロー プライス)戦略を徹底しているのだが、利益はしっかりと出ている。22年6月期以降の当期純利益の推移をみると、75.6億円、84.7億円、118.4億円と伸び率が加速しており、競争が激しい小売り・流通業界において成長力には目を見張るものがある。トップラインも順調で24年6月期で24期連続増収である。
シナジー発現への期待