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[【クロスボーダーM&A】ベトナム投資の基礎知識 [ベトナムマーケット概要](ワールディング)]

(2015/09/09)

ベトナムのロボット業界

 谷口 正俊(株式会社ワールディング 代表取締役社長)

 ベトナムのIT最大手FPTが、2016年1月よりアメリカなどでロボットの市販を開始する。実用化が始まった高機能の「ヒト型」とは一線を画し、家電の操作や室内監視などに機能を絞った簡易型で庶民への普及を狙う。

 大学生のイベント「ロボットコンテスト(ABUロボコン)」の出場経験者がエンジニアの主を占めるFPTは2013年、ソフトバンクが出資する仏アルデバラン・ロボティクス社からヒト型ロボットを買い、ロボットの研究を始めていた。ベトナムは、2014年大会、2015年大会と2年連続でABUロボコンにて優勝をおさめている。

 ベトナムが経済発展を続け人件費が上昇していく中、FPTが既存事業の情報機器販売やソフトの受託開発では価格優位性という強みを打ち出せなくなるのは明白であり、昨年12月にはネット通販に参入し、今年内にITを活用した農業を始めるなど新規事業開拓に力を入れている。経済産業省によると、産業用ロボットではない「サービス型」といわれるロボット市場は日本国内で2035年には4兆9千億円に達する見込みで、欧米やアジアでも大きく伸びる可能性が高い。

 ベトナム政府も、2010年6月19日付け決定No:49/QD-TTgではハイテク分野の優先的な開発技術として46種類の技術をリストアップしており、その中にロボット製造技術が含まれている。また、開発を促進するハイテク製品を76種類リストアップしているが、その中に3軸以上の産業用ロボットが含まれている。一方でベトナムにおける産業用ロボットの市場はまだ小さく2011年時点の稼働台数の推計は921台であり、インドネシアの約50%、タイの7%ほどしかない。しかしながら、2006年から2011年の間に稼働台数は 4.6倍に増加している。今後も賃金上昇が続くと予想され、かつ政府も産業の高度化による工業国化とハイテク分野の産業人材育成を重点政策として掲げ取り組んでいることから、産業用ロボットの市場規模は今後ますます拡大すると予想される。ベトナムにおける産業用ロボット市場は教材用を含めて今後一層の拡大が望める有望な市場であり、教材用だけでも150台以上、企業向けには今後5年間の間に1,000台以上の新規需要が見込まれる。実習用ロボットの販売だけではなく、それを用いて指導する教員の訓練および導入するロボット教材の仕様や性能に合致した指導内容をパッケージとして提供できれば顧客獲得チャンスが大いにあるといえる。

 ベトナムは環太平洋経済連携協定(TPP)への参加も積極的であり、他にもTOSY ROBOTICSが2012年に「mRobo」を日本の展示会に出展するなど、ロボット事業を自国の強みとして世界市場に打って出ると見られている。






株式会社ワールディング

株式会社ワールディング
TEL:03-5361-6455

■筆者プロフィール
谷口正俊(たにぐち まさとし)
1973年イタリア・ローマ生まれ。
早稲田大学商学部卒業後、(株)ベネッセコーポレーション入社。
同社退社後、2000年7月「教育を通じてより良い世の中へ」と、教育関連企業(株)ウィル・シードを共同創業、代表取締役副社長就任。大手企業400社の人財育成支援及び、全国の小中学校に新しいタイプの体感型教育プログラムを提供。
同社副社長を退任後、2006年6月、(株)アクティブリッジの設立に参加。
7年に亘るベトナム事業展開の後、2013年3月、(株)ワールディングを設立。
日系企業のベトナム進出支援、ベトナム人材採用・育成事業を展開中。
日本とベトナムを往復する日々を送っている。


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