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[【クロスボーダーM&A】ベトナム投資の基礎知識 [ベトナムマーケット概要](ワールディング)]

(2016/09/28)

ベトナムの生命保険業界

 谷口 正俊(株式会社ワールディング 代表取締役社長)

 第一生命保険の100%出資子会社であるDai-ichi Life Insurance Company of Vietnam, Limitedは、CSR財団「For A Better Life Fund」を設立し、2016年9月20日にハノイ市で記念式典を開催した。

市場環境

 アジアの生命保険市場の中長期展望については、中長期的に一層の経済発展が見込まれる中、市場のさらなる拡大が見込まれている。2016年から2025年の期間の生命保険料増収額の5割を新興国市場が占めるとされ、特にASEANは、この期間の保険料増収率の年率平均が10.2%と最も高い成長が見込まれている。ただ、ASEANの中でもベトナムは生命保険市場の規模としては非常に小さく、生命保険浸透率(GDPに対する生保収入保険料の割合)も0.8%と低い。しかしながら、ベトナムの2015年の生保収入保険料の伸び率は、アジア主要国の中でも屈指の水準となっており、今後2040年まで人口ボーナス期が続くことも踏まえれば、市場将来性が高い市場だと考えることができる。

市場シェア

 現在、ベトナムでは生保会社が17社営業している。HSBCを戦略パートナーとしていたBao Viet Groupに、住友生命が2012年からHSBSより株式を取得して経営に参画している。また、Bao Minh CMGを買収した第一生命が2007年に参入し、2016年1月にベトナム郵便会社と生保商品に関する15年間の独占販売契約を締結している。さらに第一生命は、2016年4月にかんぽ生命、ベトナム郵便会社が3社の生命保険サービスに関する協力関係に関する覚書を締結した。一方で、シンガポールの生命保険大手Great Easternは、アジアを拠点に活動するPacific Century Group傘下の保険会社FWD Groupにベトナムにおける保険事業を4,820万シンガポールドルで売却し、ベトナムから撤退している。



 2015年の新規収入保険料をもとにした市場シェアは、2014年に比べると、1位のPrudential Vietnam(2014年は32.9%)とBao Viet life insurance(26.9%)の割合が減り、Manulife Vietnam(11.5%)、AIA(8.5%)、Dai-ichi Life(9.5%)らがシェアを伸ばしている。
 


販売動向

 2015年の新契約件数は約130万件で、前年と比べ24.2%増加している。保障と貯蓄を兼ね備えた養老保険が41.8%(前年は40.9%)、投資リンク性商品が34.4%(前年は32.7%)と、貯蓄・投資性商品の販売が大半を占めており、定期保険や終身保険はまだ少ない。販売チャネルとしては、営業職員や代理店のほか、銀行窓販や郵便局での保険販売なども行われている。


株式会社ワールディング

株式会社ワールディング
TEL:03-5361-6455

■筆者プロフィール
谷口正俊(たにぐち まさとし)
1973年イタリア・ローマ生まれ。
早稲田大学商学部卒業後、(株)ベネッセコーポレーション入社。
同社退社後、2000年7月「教育を通じてより良い世の中へ」と、教育関連企業(株)ウィル・シードを共同創業、代表取締役副社長就任。大手企業400社の人財育成支援及び、全国の小中学校に新しいタイプの体感型教育プログラムを提供。
同社副社長を退任後、2006年6月、(株)アクティブリッジの設立に参加。
7年に亘るベトナム事業展開の後、2013年3月、(株)ワールディングを設立。
日系企業のベトナム進出支援、ベトナム人材採用・育成事業を展開中。
日本とベトナムを往復する日々を送っている。


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