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[M&A戦略と会計・税務・財務]

2020年7月号 309号

(2020/06/15)

第155回 南アフリカのBEE制度と採掘憲章を踏まえたM&Aの留意点

竹中 健(PwCアドバイザリー合同会社 M&A Advisory, Partner)
1. はじめに

 近年は南アフリカでのM&A案件の数は増加傾向にある。筆者も同国におけるエネルギー・資源分野関連のM&A案件にかかる相談を受ける機会が増えており、現時点も案件を執行中である。今回は筆者が南アフリカの案件の執行を通じて学んだこと、特に、南アフリカの中でも最重要な産業でもある資源分野のうち、鉱業セクターのM&Aを検討する際に重要となる「黒人の経済力強化政策(「BEE政策」)の概要について説明したい。当該BEEの制度は非常に複雑であるため、実際に当該国でのM&A案件を検討する際においては、現地のリーガルアドバイザーのオピニオンを踏まえて実行する必要があることにご留意いただきたい。


2. BEE政策の概要

 南アフリカでは1994年に人種分離政策(アパルトヘイト)を廃止してから、当該政策によって不公平な扱いを受けてきた黒人の地位をいかに回復できるかが重要な課題となっている。Black Economic Empowerment Act(BEE政策)は、南アフリカにおける黒人の地位回復を目的とした南アフリカ独自の制度であり、同国で事業を営む企業に対して黒人株主構成比率を一定以上維持する義務(所有権)に加え、経営支配、技能開発、企業およびサプライヤーの発展、社会経済の発展にいかに貢献するべきかの貢献度を規定している。具体的には、これらの企業の取り組みや貢献度をスコア化し、政府機関および公共事業体との取引の条件等とする。具体的なスコアの配点基準は、通商産業大臣の規定する実施基準(Codes)にもとづくことになる。また、重要な業界(セクター)ごとに「Charter(憲章)」が制定されており、企業は所属するセクターが定める基準も併せて満たす義務がある。したがって、南アフリカの企業を対象にM&Aを検討する企業は、対象企業が順守すべきBEE制度上の義務を確認することが重要である。その中でも、今回は特に鉱業セクターにおける所有権の規定を踏まえて、同セクターに属する企業を対象とするM&Aの実行を検討するに当たって留意すべき点にフォーカスを当てて説明する。


3. 採掘憲章の概要およびM&Aにおける際の留意点

 前述の通り、南アフリカにおいては重要なセクターごとに憲章が制定されており、鉱業セクターにおいてはMining Charter(採掘憲章)が制定されている。2018年版の

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