[視点]
2008年9月号 167号
(2008/08/15)
代理変数としての株主価値の問題点
企業価値への関心が高まっている。M&Aが企業経営の規律付け(コーポレート・ガバナンス)の一般的手段と考えられるようになった近年では、企業価値を高めることができない経営者あるいは企業は市場から淘汰される可能性が高いという意見をよく聞く。そのため、「企業価値の向上」は現代の多くの日本企業にとって主要な経営目標の一つとなっている。また、二〇〇五(平成一七)年五月に公表された『企業価値報告書』では、買収防衛策導入のガイドラインとして、企業価値を高める買収提案は拒否できないとする基準(「企業価値基準」)が提示されている。企業社会のプレイヤーたる企業のみならず、ルールメーカーたる規制当局においても、「企業価値の向上」を基準とした意思決定が求められるようになった。「企業価値」は、現代の企業社会を考えるうえで最も重要なキーワードの一つである。
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[押さえておきたい新時代のM&A~海外M&Aのカギを握るリスク管理]
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