第一 はじめに 近時の経済情勢下では上場企業の株主の中には、その保有する株式を、金融機関やノンバンクからの借入に対する担保として、あるいは取引先等他の事業法人からの与信への担保として、提供している例も多い。そうした中で、担保が実行され、株式を第三者へ処分したり、または自分で取得する例も見受けられる。しかし、担保設定行為がそもそも倒産法制下の管財人等の否認権(注1)行使の対象となる可能性もある。