[特集インタビュー]
2016年7月号 261号
(2016/06/15)
~新中計で打ち出された、「事業投資」から「事業経営」への転換による次世代の事業基盤構築とは
日本初のLBO案件も経験
-- 三菱商事は5月に、2016年度から始まる3カ年の「中期経営戦略2018~新たな事業経営モデルへの挑戦~」を発表しました。この中計では、向こう3カ年の経営方針として、「資源」と「非資源」のバランスの見直しを打ち出し、「資源分野」については、原料炭・銅・天然ガスへ経営資源を集中し、投資残高を一定に保ちつつ、積極的な資産入替による質の向上を図る一方で、「非資源分野」では、資産の入れ替えを進めつつ、同社が主体的に強みを発揮できる分野に投資を集中し、投資残高を増加させることによって、ポートフォリオの構成を見直すとしています。とりわけ、注目されるのは、「事業投資」から「事業経営」へのシフトを宣言し、事業に「投資」するだけではなく、事業の中に入り三菱商事の強みや機能を提供することで投資先の成長に貢献する「事業経営」を強化し、次世代の事業基盤を構築していくという戦略を明確に打ち出したことです。
商社ビジネスの歴史を概観すると、最初はメーカーの商品、あるいは原料を扱うというトレーディングから始まりました。その後、取引先に出資したり、共同で事業投資を行うという流れが出てきました。今回、垣内威彦社長が打ち出した「事業投資」から「事業経営」へという戦略は、商社が投資だけではなく、投資先の企業の経営に積極的に参画し、投資先の企業価値を上げることによってリターンを得るというビジネスに重点を置く段階に入ったという点で、商社のビジネスモデルの転換を予感させます。
そこで、三菱商事の非資源事業分野で早くから事業経営に力を入れているライフサイエンス本部の岡部信本部長と、同本部の小島秀毅・企画開発室兼生化学製品部 経営企画チーム 課長に、食品化学事業の事業経営モデルについてお話をうかがいたいと思います。まずは自己紹介をお願いします。
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