[Webインタビュー]

(2022/12/02)

【第151回】FTIコンサルティング、日本参入の狙い~PEファンドの新規日本参入を見込み、グローバルに連携

カーリン・テイラー(FTIコンサルティング コーポレートファイナンス部門長)
  • A,B,C,EXコース

Carlyn R. Taylor

FTIのコーポレートファイナンス部門のグローバル副リーダー。コンサルティング経験30年以上。旧プライスウォーターハウスのパートナーを経て現職。専門分野は戦略、ビジネス改善、トランザクション・アドバイザリー。テレコム、メディア、テクノロジー(TMT)、消費財と製造業界に注力している。
世界28カ国に新規進出

―― FTIコンサルティングとは、どういった会社ですか。

「独立系のビジネスアドバイザリーファームです。ニューヨーク証券取引所に上場しており、現在の時価総額は約60億米ドル(約8000億円)です。31カ国に展開し、従業員が約7500人の企業に成長しています。業界では『プレミアコンサルティング』と呼ばれるのですが、企業の財務やオペレーションのコンサルティングを行う企業として海外主要国では認識されています。近年では日本のほか、イタリア、オランダ、フランス、中東のドバイやサウジアラビアなど28カ国へ新規参入しました。

 私は20年前にFTIに入社していますが、当時はアメリカ国内のみで従業員650人程度の規模の会社でした。

 FTIコンサルティングは大きく5つのサービスを提供しています。まず1つ目が、私が担当しているコーポレートファイナンス部門で、FTIの最大の部門です。ターンアラウンド&リストラクチャリング、ビジネス・トランスフォーメーション等の助言をします。具体的には、M&Aのターゲットのロングリストやショートリストの提示、市場調査、競合分析、コマーシャルDD、財務DD、業務DD、バリュエーション、経営統合、カーブアウト等に関する助言業務を提供しています。

 次に注力しているのが、エコノミックコンサルティングです。法律事務所、企業、政府機関が直面する複雑な経済問題に対し、クライアントが課題・機会を把握できるようなサービスを提供しています。フォレンジック・訴訟コンサルティングでは、調査、データ分析、訴訟サービスを行います。独立系コンサルティング企業として、リスク、紛争、調査、訴訟シナリオ等の分野でクライアントを支援しています。

 また、テクノロジー部門ではデータに関連するビジネス上の課題を解決します。不正の根絶、規制コンプライアンスの維持、法務およびITのコスト削減、機密情報の保護、迅速な事実調査、データの活用によるビジネス価値の創出――等々、かなり幅広いアドバイスを提供しています。

 最後にストラテジックコミュニケーションですが、クライアントが主要ステークホルダーと効果的にコミュニケーションすることを支援します。財務系コミュニケーション、コーポレート・レピュテーション、パブリック・アフェアーズといったサービスです。

 当社の強みは、グローバルに展開しており、シームレスにサービスの展開ができる点です。今後、多国籍のクライアントのみならず、日本国内の顧客へのサポートも本格的に進めていきます」

全世界とのネットワークが強み

―― 同業他社との違いは何ですか。また、類似のサービスを提供している会社は?

「会計事務所系コンサルティング・ファームのビック4は各地域に拠点を分けていますが、我々は1つの会社で全世界のお客様をカバーできる体制なのが違う点です。

 競合は、当社の事業領域は広いので難しいのですが、マッキンゼー、ベイン、ボストンコンサルティングなどのコンサルティング・ファーム。それ以外にも、アルバレズ・アンド・マーセル、アリックスパートナーズといった会社です。

 次に、FTIには企業にIR支援などを行う、グローバルストラテジーコミュニケーションという部門もあり、こちらは、また別の競合関係があります。例えばフライシュマンヒラードです。同社は日本で活躍していると認識しています」

日本で当面展開するのは、DDやPMIの助言業務

―― なぜこのタイミングでの日本参入なのでしょう。また、日本法人では、どういったサービスを提供するのですか。

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