[M&Aスクランブル]

(2021/11/19)

「脱炭素」が背中を押す日本企業のM&A

「シェルVS.サード・ポイント」からの示唆

村松 健(SBI金融経済研究所 事務局次長)
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国際的な脱炭素の足元の潮流

 近年、世界的な潮流として「脱炭素」が注目されている。地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量を減らそうとの取り組みである。金融ビジネスにおいては環境・社会・企業統治に配慮する企業を重視・選別して行う投資をESG投資と呼ぶが、脱炭素はESG投資の中でも特に重要視されている分野だ。2020年のESG投資は3900兆円に達しており、有形無形に事業会社のM&Aビジネスにも影響を与えている。本稿では具体的な事例をいくつか挙げ、最近のM&Aの底流に流れる脱炭素の存在を確認する。

 先日、英国グラスゴーで、第26回国連気候変動枠組み条約国会議(COP26)が開催された。COP26では、2030年の温暖化ガスの排出削減目標を、産業革命からの気温上昇を1.5度に抑えるレベルとし、炭素の排出量の削減へ取り組むこと――すなわち全世界的な脱炭素との方向性が確認された。

 特に温室効果ガスの排出が多く、排出削減対策の取られていない石炭火力発電については、「段階的な削減」が明記されたことで、投資が困難な対象であることが改めて認識された。それにとどまらず、火力発電から再生可能エネルギーへの移行や、相対的に温室効果ガスの排出が少ない液化天然ガス(LNG)などの活用、ガソリン自動車の電気自動車(EV)へのシフト等への問題意識も高まっている。...

■ 筆者履歴

松村 健

村松 健(むらまつ・けん)
1996年慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。富山支店、業務部、証券部、広島営業部、みずほ証券等で勤務。2021年11月より現職。著書に、『銀行実務詳説 証券』、『NISAではじめる「負けない投資」の教科書』、『中国債券取引の実務』(全て共著)がある。論文寄稿、セミナー等多数。日本財務管理学会、日本格付け学会所属。

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