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[【クロスボーダーM&A】ベトナム投資の基礎知識 [ベトナムマーケット概要](ワールディング)]

(2018/08/08)

ベトナムの損害保険業界

谷口 正俊(株式会社ワールディング 代表取締役社長)

  ベトナムの保険業を規制・監督している財務省保険管理局(ISA)によれば、2017年のベトナムの損害保険市場は、保険料収入が約1,920億円(前年比+10.6%)、総資産は約3,490億円となっている。収入保険料を分野別にみると、自動車保険が全体の28%を占めており、対物・傷害が22%、医療保険が21%と続く。2018年における損保業界は、保険料収入の合計が約2,120億円(2017年比+10.4%)、総資産が約3,660億円(同+4.9%)と予想されており、さらなる成長が見込まれる。

  国内最大手のBVHD(Bao Viet Holdings)は19.5%(2017年、元受正味保険料)のシェアを有し、2位のPVI(Petro Vietnam Insurance Holdings)が16.1%、3位のBMI(Bao Minh Insurance Corporation)が8.2%と続いている。BVHDはベトナム初の保険会社で、1965年に国営企業として設立された。同社は、損保企業として営業を開始し、1996年に生保にも参入しており、損保はBao Viet Insurance Corp、生保はBao Viet Lifeと別会社で事業をおこなっている。住友生命は2012年にBVHDの株式18%を取得し、また、東京海上ホールディングスはBVHDと合弁保険会社を展開しており、2016年には51%にまで出資比率を上げている。東京海上ホールディングスは今年6月に豪大手インシュアランス・オーストラリア・グループ(IAG)のタイとインドネシア法人を買収することも発表しており、東南アジア展開を積極的に進めている。

  損害保険市場は国内企業中心の構造となっており、Vietnam Reportによってランキング化された「2018年損害保険会社Top10」(表1)をみると、10位の米大手保険会社のLiberty Insuranceが唯一の外資100%出資企業である。

  追い風が吹いている損害保険市場ではあるものの、料率算定が整備されていない点や2年目以降の自動車保険契約が少ない点などの課題も存在する。業界内の事業環境や車検制度を整え、自賠責保険制度や任意保険システムを強化することが求められている。

[表1] 2018年 損害保険会社トップ10(Vietnam Report)
※企業の財務力、メディアの信頼性、顧客の満足度の3指標に基づき各社を評価

 1位BVHD(Bao Viet Holdings)
 2位PVI(Petro Vietnam Insurance Holdings)
 3位BMI(Bao Minh Insurance)
 4位PTI(Post & Telecommunication Joint Stock Insurance Corporation)
 5位PGI(Petrolimex Insurance)
 6位MIC(Military Insurance Corporation)
 7位BIC(BIDV Insurance)
 8位VBI(Insurance Company Limited Bank of Industry and Trade of Vietnam)
 9位BLI(Bao Long Insurance)
10位Liberty Insurance Vietnam




株式会社ワールディング

株式会社ワールディング
TEL:03-5361-6455

■筆者プロフィール
谷口正俊(たにぐち まさとし)
1973年イタリア・ローマ生まれ。
早稲田大学商学部卒業後、(株)ベネッセコーポレーション入社。
同社退社後、2000年7月「教育を通じてより良い世の中へ」と、教育関連企業(株)ウィル・シードを共同創業、代表取締役副社長就任。大手企業400社の人財育成支援及び、全国の小中学校に新しいタイプの体感型教育プログラムを提供。
同社副社長を退任後、2006年6月、(株)アクティブリッジの設立に参加。
7年に亘るベトナム事業展開の後、2013年3月、(株)ワールディングを設立。
日系企業のベトナム進出支援、ベトナム人材採用・育成事業を展開中。
日本とベトナムを往復する日々を送っている。

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