レコフデータは1985年以降のM&Aデータベースを構築しています

キーワード 一覧

[【クロスボーダーM&A】ベトナム投資の基礎知識 [ベトナムマーケット概要](ワールディング)]

(2019/04/24)

ベトナムのフィットネスクラブ業界

谷口 正俊(株式会社ワールディング 代表取締役社長)

  2018年のベトナムへの海外直接投資(FDI)は191億ドル(約2兆600億円)に達し、前年比9.1%の増加を見せ、6年連続で過去最高を更新した。国・地域別の認可額のトップは2年連続で日本(85億ドル)、次いで韓国(72億ドル)、シンガポール、香港、中国と続いた。北部の首都ハノイや南部のホーチミンなどの大都市圏では中間所得層が厚みを増しており、近年は、生産拠点としてだけでなく市場としての魅力も高まっている。中でも注目されているのは、フィットネスクラブである。国内の経済発展に伴い、健康と美容に関心を持つベトナム人が増えてきているが、外で運動ができる公園や施設が多いとはいえない。また、都心部では空気汚染が激しく、外での運動を難しくしているのが現状だ。したがって、屋内のフィットネスジムに健康増進に興味を持つ人々が集まっていると考えられる。

  フィットネスクラブが普及し始めたのは12年前。2007年に米California Management Group(CMG)が「California Fitness & Yoga」をオープンしたのを初めとして、2010年に「Getfit Gym & Yoga」と「Elite Fitness」が、2012年にはドイツの「Fit24」が次々と参入した。業界最大手のCalifornia Fitness & Yogaには、みずほ銀行が100%出資するシンガポールのファンドMizuho Asia Partners(MAP)が10%出資し展開しているが、現在の店舗数は22店舗である。2番手のElite Fitnessも11店舗なので、まだ今後の展開の余地が大きく、これからフィットネスジムの数が全国で増加していくと思われる(日本国内のフィットネスジムは約4000か所)。

  日本からは、フィットネス業界日本国内5位のルネサンスが2014年にRENAISSANCE VIETNAM,INC.を設立し、2店舗を展開している。日本企業のフィットネスクラブの海外進出としては、他には業界4位のセントラルスポーツによる米スポーツクラブ「WELLBRIDGE」への出資、業界2位のライザップグループの香港・米国進出(米国は撤退)、繊維製品メーカーのグンゼのカンボジアへの進出のみであり、まだ事例は多くない。フィットネス事業自体が輸入産業であり日本企業の優位性がなかなか出しづらいことが要因の一つだと思われる中、ルネサンスがベトナム展開で最大の売りにしているのは水泳のノウハウである。日本のフィットネスクラブの多くは、水泳スクールを実施しており、レベルごとの教育体系も確立しているが、ベトナムでは小学校などでの水泳指導はあまり行われておらず、フィットネスクラブのプールでも水泳指導のコーチが完備されているケースは少ない。ルネサンスのベトナムでの事業展開如何では、東南アジアへの日本企業の進出が加速するかもしれない。



株式会社ワールディング

株式会社ワールディング
TEL:03-5361-6455

■筆者プロフィール
谷口正俊(たにぐち まさとし)
1973年イタリア・ローマ生まれ。
早稲田大学商学部卒業後、(株)ベネッセコーポレーション入社。
同社退社後、2000年7月「教育を通じてより良い世の中へ」と、教育関連企業(株)ウィル・シードを共同創業、代表取締役副社長就任。大手企業400社の人財育成支援及び、全国の小中学校に新しいタイプの体感型教育プログラムを提供。
同社副社長を退任後、2006年6月、(株)アクティブリッジの設立に参加。
7年に亘るベトナム事業展開の後、2013年3月、(株)ワールディングを設立。
日系企業のベトナム進出支援、ベトナム人材採用・育成事業を展開中。
日本とベトナムを往復する日々を送っている。

バックナンバー

おすすめ記事

事業環境急変で、今改めて整理したい「事業再生」

速報・トピックス

[M&Aスクランブル]

NEW 事業環境急変で、今改めて整理したい「事業再生」

マール企業価値研究グループ

【第3回】 カーブアウトM&Aにおける法務デュー・ディリジェンス(セラーズ・デュー・ディリジェンスを中心に)

スキルアップ

[【法務】カーブアウトM&A の実務と課題(柴田・鈴木・中田法律事務所 柴田堅太郎・中田裕人弁護士)]

【第3回】 カーブアウトM&Aにおける法務デュー・ディリジェンス(セラーズ・デュー・ディリジェンスを中心に)

柴田 堅太郎(柴田・鈴木・中田法律事務所 パートナー弁護士)
中田 裕人(柴田・鈴木・中田法律事務所 パートナー弁護士)

第180回 フィットネスクラブ業界 M&Aによる寡占化が進みつつも新規参入により競争が激化

マーケット動向

[業界動向「M&Aでみる日本の産業新地図」]

NEW 第180回 フィットネスクラブ業界 M&Aによる寡占化が進みつつも新規参入により競争が激化

澤田 英之(レコフ 企画管理部 リサーチ担当)

M&A専門誌 マール最新号

M&A専門誌マール

M&A専門誌マール

「MARR(マール)」は、日本で唯一のM&A専門誌で、「記事編」と「統計とデータ編」で構成されています。

レコフM&Aデータベース

レコフM&Aデータベース

「レコフM&Aデータベース」は、日本企業のM&Aなどどこよりも網羅的に、即日性をもって構築している日本で最も信頼性の高いデータベースです。

セミナー

セミナー

マールの誌面にご登場いただいた実務家、研究者などM&Aの専門家を講師としてお招きし、成功に導くポイント、M&Aの全体プロセスと意思決定手続き、実証研究から見た分析などについてご講演いただきます。

SPEEDA RECOF

SPEEDA RECOF

「SPEEDA RECOF」とは「レコフM&Aデータベース」と株式会社ユーザベースが開発・運営する企業・業界情報プラットフォームである「SPEEDA」がシステム連携します。

NIKKEI TELECOM日経テレコン 日経バリューサーチ

日経テレコン

2002年7月に、日本経済新聞デジタルメディアが運営する日経テレコンの「レコフM&A情報」を通じてM&Aデータの提供を開始しました。

M&Aに関するお問い合わせ、ご相談は
こちらからお気軽にお問い合わせ下さい。

お問い合わせフォーム