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[【クロスボーダーM&A】ベトナム投資の基礎知識 [ベトナムマーケット概要](ワールディング)]

(2019/07/25)

ベトナムのゴルフ業界

谷口 正俊(株式会社ワールディング 代表取締役社長)

 2019年7月、ゴルフ場運営大手のアコーディア・ゴルフが、グループ企業とともに、ベトナムのFLC Groupとの間でゴルフ事業における人材育成及び顧客開拓における協業協定を締結した。アコーディア・ゴルフは、昨年10月から、外国人技能実習制度を活用し、ベトナム人技能実習生の受け入れも始めている。


 現在、世界の中で最も急速に成長しているゴルフ市場はベトナムだと言われている。ゴルフ組織R&A(英国ゴルフ協会)が発刊しているGolf Around the World 2019によれば、2018年末時点で、ベトナム国内には78のゴルフコースがあり、他国に比べれば少ないものの(日本:3,169、中国:599、タイ:315、フィリピン:125、インドネシア:177)、2011年の35コースから、この8年で倍以上に増えている。加えてベトナムでは、2020年までに89コースまで増やすことが決まっていることもあり、現在43のコースが開発中である。アジア全体で149のコースが計画中または建設中とされており、これは世界の28%であるため、ベトナムの開発中のコースは世界全体のうち8%を占めていることになる。


 首都のハノイのコースには1日に200人以上の人が訪れ、その多くがベトナム人である。ゴルフ人口は、2011年当時の1万人から2万人を超えるまでに増加しているが、競技者のうちほとんどが富裕層や企業役員といったこともあり、まだベトナムの全人口の0.02%に過ぎない(日本:5.5%)。更に、外国人旅行者のうちゴルフが目的である割合は0.5%であり、隣国のタイ(2.0%)に劣っている。ベトナムは2020年までに、ゴルフ旅行での収入を1億ドルに到達させ、ゴルフ目的の外国人旅行者を全体の1.5%まで増やすことを目標にしている。2018年10月には、ベトナム文化スポーツ観光省が、ベトナム南部のゴルフリゾートの設計を手掛けたグレッグ・ノーマン氏を、欧州におけるベトナム観光大使に任命するなど、海外からの旅行者取り込みのための施策を打ち始めている。


 この流れに伴い、日系企業によるベトナムのゴルフ関係業界への進出も見られ始めている。総合商社の双日は、2013年11月に現地子会社が米ナイキと「NIKI Golf」ブランドの商品のベトナム市場における輸入販売権に関する契約を締結した。保険大手の東京海上日動火災保険は、2017年11月に現地子会社とローカル企業とが協業し、日系初のベトナム人向けゴルファー保険の販売を開始している。


 先進国ではゴルフ人口の減少が目立つが、国内の経済発展に伴うベトナム人ゴルフ人口の増加も見込まれており、ベトナムのゴルフ市場の成長はこれからも続くと考えられる。


株式会社ワールディング

株式会社ワールディング
TEL:03-5361-6455

■筆者プロフィール
谷口正俊(たにぐち まさとし)
1973年イタリア・ローマ生まれ。
早稲田大学商学部卒業後、(株)ベネッセコーポレーション入社。
同社退社後、2000年7月「教育を通じてより良い世の中へ」と、教育関連企業(株)ウィル・シードを共同創業、代表取締役副社長就任。大手企業400社の人財育成支援及び、全国の小中学校に新しいタイプの体感型教育プログラムを提供。
同社副社長を退任後、2006年6月、(株)アクティブリッジの設立に参加。
7年に亘るベトナム事業展開の後、2013年3月、(株)ワールディングを設立。
日系企業のベトナム進出支援、ベトナム人材採用・育成事業を展開中。
日本とベトナムを往復する日々を送っている。

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