[【M&A戦略】M&A戦略立案の要点(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)]

(2021/06/03)

【第6回】 M&A戦略の類型(4)多角化型

木俣 貴光(三菱UFJリサーチ&コンサルティング コーポレートアドバイザリー部 部長 プリンシパル)
  • 無料会員
  • A,B,C,EXコース
< この記事は、無料会員も含め、全コースでお読みいただけます >

多角化型M&A戦略

 多角化戦略とは、新規の製品を用いて新規の市場を開拓していく戦略である。多角化戦略は、さらに関連多角化と非関連多角化に分類される。関連多角化は、新事業領域がコア事業と意味のある共通性を持つものをいい(※1)、非関連多角化はそれ以外のものをいう。

 多角化型のM&A戦略には、「事業ポートフォリオ転換戦略」、「コングロマリット戦略」、「プラットフォーム戦略」、「マルチアライアンス戦略」がある。

 なお、一般に経営上は「選択と集中」が大事であるとされる。また、多角化した企業はコングロマリット・ディスカウントが生じているといった指摘もあり、多角化経営の是非は分かれるところである。そこで、本稿ではまず多角化の是非について整理しておく。

図表1 多角化型M&A戦略の類型

出所:木俣貴光『M&A戦略の立案プロセス』(中央経済社、2019)

1.多角化経営の是非

 企業が自ら多角化しなくとも、投資家自身が異なる業種の企業の株式を保有することで、投資家は複数事業のポートフォリオを構築することができる。そのため、コングロマリット・ディスカウントのみならず、投資家にとって企業が多角化することの経済合理性はないと考えられている。


 …


三菱UFJリサーチ&コンサルティング

■筆者略歴

木俣 貴光(きまた・たかみつ)
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 コーポレートアドバイザリー部
部長 プリンシパル

大手石油会社、外資系コンサルティング会社を経て現職。20年以上にわたり、大企業から中堅中小企業まで、幅広いクライアントに対して、M&Aアドバイザリー、グループ組織再編、事業承継対策といった資本政策のほか、M&A戦略立案、PMI支援、ビジョン策定、企業再生支援など、資本政策に付随する戦略テーマにかかるコンサルティングに従事。主な著書に、「M&A戦略の立案プロセス」(第14回M&Aフォーラム賞奨励賞受賞)、「企業買収の実務プロセス第2版」、「事業承継スキーム」のほか、実務小説「企業買収」(第6回M&Aフォーラム賞奨励賞受賞)(いずれも中央経済社)などがある。

続きをご覧いただくにはログインして下さい

この記事は、無料会員も含め、全コースでお読みいただけます。

マールオンライン会員の方はログインして下さい。ご登録がまだの方は会員登録して下さい。

関連記事

バックナンバー

おすすめ記事

スキルアップ講座 M&A用語 マールオンライン コンテンツ一覧 MARR Online 活用ガイド

アクセスランキング