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[業界動向「M&Aでみる日本の産業新地図」]

2020年1月号 303号

(2019/12/16)

第177回 自動車部品業界 電動化による大変革の潮流の中で、生き残りを目指す競争が展開

編集部
避けて通れないEV化の潮流

 自動車業界における100年に一度ともいわれる大変革は、内燃機関自動車から電気自動車(EV)、そして「自動運転」と「通信によるコネクテッド化」という3つの技術領域の融合へのシフトという潮流がもたらしている。また、自動車の「所有から共有」という動きが高まる。シェアリングエコノミーの台頭を受けて「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」も進むとみられる。

 EVが注目されるようになった背景には、排ガスの抑制を目的としたグローバルなガソリン車、ディーゼル車の販売規制の動きがある。欧州の「ユーロ6」規制ではCO2排出規制量は130g/km以下から2021年95g/km以下に、さらに30年には66.5g/km以下にすることが検討されている。フランス政府は2040年からガソリン車、ディーゼル車の販売を禁止、電動化への買い替えを促進するための税制を導入する見通し。英国も同様に40年までにそれらの販売を全面的に禁止。オランダやノルウェーでも25年以降、販売の禁止が検討されているほか、ドイツでは議会が、30年までに内燃エンジンを搭載した新車の販売禁止を求める決議を可決した。この規制は欧州だけではない。19年には中国でもZEV(ゼロエミッション車)販売比率の規制が始まり、インド政府は、30年までに市販する自動車をEVに限定する政策を打ち出している。

 こうした潮流は完成車メーカー(OEM)だけでなく、自動車部品メーカー(サプライヤー)をも、し烈な生き残り競争の渦に巻き込み、これまで自動車産業が作り上げてきたOEMを頂点とし、Tier1(メーカーに直接納入する一次サプライヤー)、Tier2といったピラミッド型のサプライチェーンがそのまま維持されるとはいえなくなっている。

 実際、メガTier1では大きな変化が起こっている。これまで一次サプライヤーは、例えばトランスミッション販売の利益はトランスミッションの開発に継続投資されてきていた。ところが、世界最大の規模の自動車部品メーカーの動きを見ても大きな変化がみられる。例えば、2015年にはドイツの部品メーカーZF(ZF Friedrichshafen AG)が米TRW Automotiveを約135億ドルで買収するという案件がそれだ。ZFは変速機の世界大手、一方、TRWは電機部門が強く自動運転に必要なカメラやレーダー技術を持っていた。ZFとTRWとの統合によって、ボッシュやコンチネンタルに次ぐメガTier1となって、機構部品のサプライヤーから自動運転メガサプライヤーへの転換を図ろうとしているのだ。さらにZFは19年3月ブレーキ関連部品大手のワブコ(スイス)を70億ドル(約7700億円)で買収すると発表。20年前半の買収完了を目指している。合計売上高は約400億ユーロ(約5兆円)となり、商用車に強いワブコを取り込み商用車の自動運転分野を強化する。

 こうしたダイナミックな動きがグローバル市場では起きているのである。ちなみに、18年度サプライヤー売上高ランキングは、

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