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[業界動向「M&Aでみる日本の産業新地図」]

2021年7月号 321号

(2021/06/15)

第195回 製紙業界 ~国内需要が縮小する中、M&A戦略の巧拙で収益力に格差

田城 謙一(レコフデータ 編集委員)
1.はじめに

 ペーパーレス化の流れにより国内の紙製品需要が縮小しており、コロナ禍でのテレワークの浸透等に伴って、この動きはさらに加速化している。製紙メーカー各社は、生き残りに向けて、印刷用紙等の需要縮小製品から他製品への製品ポートフォリオの再構築が重要テーマとなっている。また、グローバル展開を行える経営体力を持つ大手製紙メーカーは、海外需要の取り込みに向け、海外M&Aを積極化しており、その成否が収益力の格差にもつながっている。以下では、国内需要の動向や大手製紙メーカーのM&Aの動向と今後の展望について検討してみる。

 
2.国内紙製品需要の動向

 日本製紙連合会の統計によると、紙製品の国内需要は約2300万トン(2020年見込み)となっている。紙製品は「紙」と「板紙」に分類されるが、このうち「紙」の需要は、コピー用紙等の「印刷・情報用紙」が5割強を占めており、「新聞用紙」とティッシュペーパー等の「衛生用紙」がそれぞれ2割弱を占める。また、「板紙」の需要は、段ボールを作るための紙である「段ボール原紙」が8割弱を占め、お菓子の箱などに使われる「紙器用板紙」が16%程度の割合となっている。

 2000年以降の紙製品需要の推移をみると、リーマン・ショック後の2009年に大きく減少し、その後も減少傾向が続いている(図表1)。紙製品全体の国内需要は2009年比で2割弱減少しているが、この大きな要因は、ペーパーレス化による「印刷・情報用紙」の減少であり、2009年に比べ3割以上減少している。また、新聞用紙についても大幅に減少しており、この傾向はコロナ禍によるテレワークの浸透等によってさらに拍車がかかっている。

 一方で、増加している需要もある。そのひとつが「段ボール原紙」であり、ネット通販の普及などを背景に、2009年比で5%程度増加し、需要の水準を維持している。そのほか「衛生用紙」の需要も伸びている。


3.製紙業界の再編

 製紙業界の再編は、

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