[編集部から]

2013年4月号 222号

(2013/03/15)

次号予告と編集後記

次号予告

2013年5月号
特集:独禁法とM&A実務の実際 2013年4月15日発売予定


※内容は変更されることがあります。タイトルは仮題です。

編集後記


■ロシアのチェリャビンスク州に 隕石が落下して以来、東京・上野にある国立科学博物館に展示されている日本の隕石が人気になっています。先日、その隕石人気を横目に、隣の平成館で開催されている「日中国交正常化40周年 東京国立博物館140周年 特別展『書聖 王羲之』」に足を運んでみました。4世紀の中国・東晋時代に活躍した王羲之は、従来の書法を飛躍的に高め「書聖」と言われますが、戦乱などで王羲之の真蹟は現在一つも残されていないのだとか。しかし、宮廷で作られた精巧な複製はみごとなものです。一文字一文字の墨の濃淡に込められた王羲之の息遣い、感情が伝わってくる思いがしました。「読み、書き、そろばん」は人を動物から分かつ重要な能力だと思いますが、現代人はキーボードから打ち出される機能的な文字の美しさと引き換えに、一文字に込めた人間の心のゆらぎを感じ取る手段を失いつつあるのではないかと考えさせられるひと時でした。(耕)

■今年もまもなく桜の季節です。昔から日本人と桜は深く結びついてきました。「花見」は、年中行事としても大きなものの一つといえるでしょう。観賞するだけでなく、実は食し、葉と花は麺や餅などの食品、木材は家具や工芸品、版画の版木などに使われています。桜からたくさんの恵みをもらっているのです。
以前、外国の友人からこんなことをいわれました。「桜は一輪ではそれほどきれいな花ではありません。でも、たくさん集まると本当に美しいです。集まってこそ美しくなる花、それが桜です。桜と日本人はよく似ていると思います。個人レベルではそれほど強くはないけれど、集団になると物凄く力を発揮するのが日本人です。」
景気の低迷が続くなか、何かと暗い話題が多い日本ですが、明るい兆しも見え始めています。桜のように一人一人が力を合わせれば、「日本」という美しい花になると思います。(佐)

 

 

 

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