[M&A戦略と会計・税務・財務]

2012年8月号 214号

(2012/07/15)

第62回 退職給付会計の改正ポイント

吉野 修史(プライスウォーターハウスクーパース シニアアソシエイト)
  • A,B,EXコース

はじめに

企業会計基準委員会(ASBJ)は、2012年5月17日付で企業会計基準第26号「退職給付に関する会計基準」および企業会計基準適用指針第25号「退職給付に関する会計基準の適用指針」(以下、併せて「改正退職給付会計基準等」という。)を公表した。今回の改正の目的は財務報告の改善を図ること、並びに国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)との差異の解消等である。
改正退職給付会計基準等は退職給付債務や年金資産の増減の内訳等の開示の拡充等も含んでおり、年金財政の透明性を高めることに寄与するものと思われる。
主な改正項目としては、未認識数理計算上の差異および未認識過去勤務費用(以下、併せて「未認識部分」という。)の会計処理、および、退職給付債務及び勤務費用の計算方法である。未認識部分に対する会計処理の改正により、従来、財務諸表には計上されず、注記にて開示していた金額が財務諸表へ反映されることになり、大きく純資産が減少する企業もある。

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