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[M&A戦略と会計・税務・財務]

2013年5月号 223号

(2013/04/15)

第71回 消費税の改正動向と実務への影響

 荒井 優美子(税理士法人プライスウォーターハウスクーパース マネージングディレクター)

   社会保障の安定財源の確保及び財政の健全化を同時に達成することを目指す観点から、消費税法その他の税制の抜本的な改革および関連する諸施策に関する措置について定めた改正法 (以下「改正法」) が2012年8月10日に成立し、2014年4月1日より施行される。 消費税法は平成元年の税制改正で導入され(昭和63年12月30日法律第108号)1989年4月1日より施行されたが、導入から8年後の1997年に税率が3%から5%に引き上げられた。今般の改正は実に18年ぶりの税率引上げということになるが、1年半の短期間に2段階で5%の引上げを達成するという、複雑な制度となっている。事業者においては、システム対応や経理処理の観点から一挙に10%まで税率引上げを行った方が事務負担は軽減されることになろうが、経済への影響や、消費税の逆進性への対応措置を図る必要性等の考慮から、段階制がとられたものと思われる。

   本稿では、改正法立法の経緯を概観したうえで、改正法のポイントと実務上の問題点を考察する。

(1)社会保障・税一体改革における消費税増税

   消費税増税は、社会保障・税一体改革の一環として消費税の見直しが行われたものである。社会保障・税一体改革は、2010 年10 月に当時の民主党政権下で設置された政府・与党社会保障改革検討本部が、「社会保障の機能強化」とそれを支える「財政の健全化」の実現のための具体的方向として、社会保障・税一体改革成案(2011 年6月30日政府・与党社会保障改革検討本部決定、同年7月1日閣議報告)として取りまとめたものである。

   社会保障・税一体改革成案では、社会保障財源のあり方に関する累次の報告や関係法律の規定を踏まえ、国民が広く受益する社会保障の費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点などから、社会保障給付に要する公費負担の費用は、消費税収(国・地方)を主要な財源として確保することが明らかにされている。

   今後、少子高齢化が進み、現役世代の顕著な減少と高齢化に伴う社会保障費用の急速な増大を見据えて、どのように税収を確保していくかが、社会保障・税一体改革の成否を握ることになる。

   平成24年度予算における、我が国の財政の状況は個人の所得課税が32%、法人課税が20%、消費課税が31%で、所得課税への依存度合が依然として高い(図表1参照)。今後は法人税率の引き下げにより、法人課税の比率が低下することが予想される。所得課税の比率は、OECD諸国の平均44.9%(2009年)を5%以上上回っており、逆に消費税の比率では、OECD諸国の平均45.4%(2009年)を10%以上も下回っている。消費税導入から20年以上経た今日でも、いかに我が国の税収構造が欧米とかけ離れているかが分かる。
 

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