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[M&A戦略と会計・税務・財務]

2016年10月号 264号

(2016/09/15)

第112回 ポストBEPSにおける各国の対応と企業行動への影響-その2

 荒井 優美子(PwC税理士法人 タックス・ディレクター)

1. BEPS最終報告書の公表後の進展

  BEPS(Base Erosion and Profit Shifting:税源浸食と利益移転)プロジェクトは、2015年10月に最終報告書を公表後、勧告の策定フェーズから実施フェーズへと移行し、勧告内容を具体的な行動に落とし込むための指針やより詳細なルールに関する討議草案の公表や勧告に従って納税者や国税当局がレポーティングを行う際の標準フォーマットの提供を行っている(図表1参照)。

  2016年6月には、最終報告書の勧告実施のための、新たな包摂的枠組(the new inclusive framework)の第一回会合が京都で開催され、100を超える国・地域及び地域機関・国際機関の参加を得て、移転価格や利子控除等、積み残したBEPSの技術的事項に関する基準策定作業が着手された。新たな包摂的枠組みでは、BEPSプロジェクトの4つのミニマムスタンダードである、有害税制への対抗、租税条約の濫用防止、移転価格税制に係る文書化、紛争解決メカニズムの構築、の実施確保に焦点が当てられている。本稿では、BEPS最終報告書の公表後の海外の動向について米国と欧州を中心に解説を行う。

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