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[ポストM&A戦略]

2017年10月号 276号

(2017/09/15)

第106回 グローバル組織運営(序論・続)

 竹田 年朗(マーサー ジャパン グローバルM&Aコンサルティング パートナー)

  前回から、クロスボーダーM&Aの範疇を超え、いわゆる「平時」を含めたグローバル組織の運営に関し、海外グローバル企業(MNC:Multi National Corporation)と日系MNCとの違いについて解説している。前回は、企業の行く末を左右するような大問題の場合を取り上げたが、今回は、より日常の意思決定に近い領域を取り上げる。
  なお、前回お断りした通り、このテーマは深遠で、筆者の中でまだ整理がついていないこともあるため、序論と位置付けて、急ぎ問題提起するものである。また、本稿はあくまでコンサルタントの現場観であり、かつ分かりやすさの観点から敢えてステレオタイプに書いているものなので、その前提でお読みいただきたい。

「真理の探究」対「決めの問題」

  答えを出せない問いに対して、どのように立ち向かうか。自分がものを知らないことに原因がある場合は、知っている人に、普通はどのように考えてどのように対処するものなのか、お願いして教えてもらうのが早道である。世の中には、似たようなことを経験している人や企業は存外に多い。具体的な問題を解決するために、現場で実際のところ何がうまく行っているのかをつぶさに知れば、多くの疑問がリバースエンジニアリング(分解工学)的に氷解する。たとえ得られた答えが当たり前のことの積み重ねであったとしても、それでよいと確認できれば自信を持って取り組めるようになる。タダでは教えてもらえないにしろ、決め手は実際のプラクティスを知ることだ。既に世の中に確立された答えがあるのだから、ゼロから自分で考えて、失敗から学ぶようなアプローチは避ける。
  この場合の答えは、一点に収斂する、誰もが首肯する理詰めの結論であったり、「この範囲に入ってさえいれば、あとはなんでもよい」という許容範囲のあるガイドラインであったりする。前者の場合は吟味された「正解」を知ること、後者の場合は、一点に収斂する正解がないから、許容範囲の示し方や、その背後に隠れている、わかってしまえば当然とも言える原理原則を理解することがポイントとなる。
  なお、全体に占める件数は少ないが、世の中の誰も知らない、あるいは考えたこともない難しい課題、あるいは定石的な答えを求めないことがすでに検討の与件となっているケースも、実際にある。参考までにこの場合は、答えの出せない大きな問いを答えが出せそうな小さな問いに論理的に分解して、その小さな問いの答えを詰めに行き、ダメならさらに小さな問いに分解する、というのが標準的な検討アプローチである。このほかにも、いくつかの創造的なアプローチもあると聞く。
  さて、筆者はマネジメントの現場で求められることの多くは、徹底的な検討と審議を要する「真理の探究」ではなくて、ある程度考えたらあとは適切な範囲内で割り切ってさっさと片付けるべき「決めの問題」ではないか、と考えている。この先、本稿はこのような筆者の見切りに従って、より実務的な課題を題材にして、海外グローバル企業(MNC:Multi National Corporation)と日本企業の違いについて述べる(図1下段)。

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