ブラックストーンによる日本のフィンテック分野初の投資案件 2024年1月、ブラックストーンが運営する
プライベート・エクイティ(PE)ファンドが、日本有数の決済サービスプロバイダーであるソニーペイメントサービスの株式80%を、ソニーグループの完全子会社であるソニー銀行から取得した。ソニー銀行は引き続き20%の株式を保有し、ソニーペイメントサービスのビジネス成長をサポートする。ソニーグループは、1995年に決済代行事業を設立し、2006年にソニーペイメントサービスとして分社化した。決済代行事業とは、クレジットカード決済やコンビニ決済など様々な決済をオンライン上で一括して行えるサービス。本案件はブラックストーンによる日本のデジタル・IT、フィンテック(「Finance」と「Technology」:ITを活用した金融サービス)分野での初めての投資案件だ。
ブラックストーンは世界最大級のオルタナティブ資産運用会社。これまでの運用資産は1兆ドルを超える。2007年に東京オフィスを開設し、2018年から日本への投資を開始した。日本におけるプライベート・エクイティ部門の投資は、ヘルスケアセクターにおける過去最大の投資案件となった
アリナミン製薬(旧:武田コンシューマーヘルスケア)への投資やあゆみ製薬への投資がある。
ソニーペイメントサービスに対する投資の経緯と成長戦略について、ブラックストーン・グループ・ジャパンの坂本篤彦・代表取締役 シニアマネージングディレクター プライベート・エクイティ日本代表と、本案件を担当した武田直樹・同 プリンシパルに聞いた。
<インタビュー>
M&Aによる成長加速も積極的に支援
坂本 篤彦(ブラックストーン・グループ・ジャパン 代表取締役 シニアマネージングディレクター プライベート・エクイティ日本代表)
武田 直樹(同 プリンシパル)
- <目次>
- 共同創業者ピーターソン氏がソニーの外国人取締役に就任したことも
- 欧米で2件の投資実績
- ソニーグループとのシナジー効果
- 自前の決済処理センターが武器
- ソニーペイメントの3つの成長戦略
- 数年をメドにIPO
- ブラックストーンの今後の重点投資分野